[ウィルトン(米コネティカット州) 18日 ロイター] - 米コネティカット州が外部機関に委託した新型コロナウイルス感染症の調査により、同州では営利目的の介護施設の方が非営利の施設より、感染者数と死亡者数が大幅に多かったことが分かった。調査家結果は18日に公表された。
同州は6月、調査会社マセマティカ・ポリシー・リサーチに対し、同州の介護施設と介護付き住宅で新型コロナの被害が大きかった理由について調査を委託した。秋の第2波到来に備えるのが目的。
調査では、営利目的の介護施設は、非営利の施設よりも1病床当たりの感染・死亡件数が約60%多かったことが示された。また大規模施設がより規模の小さい施設よりも、またチェーンの介護施設はそうでない施設よりも、それぞれ件数が多かった。
マセマティカの調査の責任者、パトリシア・ローワン氏はロイターの取材に対し、今回の中間報告では、こうした差異の理由については分析しておらず、9月30日に州に提出する最終報告で、より踏み込んだ調査結果を発表すると説明した。
コネティカットやニューヨークなど米北東部の州は現在、感染率が全米で最も低く、新型コロナを制御したようにみえる。しかしこれらの州は今も、感染拡大の初期に介護施設での感染を阻止できなかった理由の把握に努めている。
調査によると、これまでにコネティカット州の介護施設の入居者3200人余りが新型コロナウイルス感染症で死亡しており、これは同州の死者全体の4分の3近くを占める。
調査はさらに同州が地域の状況変化に対して「自発的な対応」を取らず、連邦政府の指針に従う姿勢が誤りであった可能性を指摘した。例えば医療施設でのマスク着用の義務付けがニューヨーク州では3月13日だったのに対し、コネティカット州は4月4日だった。