[ジュネーブ/チューリヒ 27日 ロイター] - 世界保健機関(WHO)は27日、新型コロナウイルスに感染した可能性のある人は無症状であっても可能な限り検査を受けるべきとの指針を改めて示した。
米疾病対策センター(CDC)は前日、新型コロナ感染症の検査指針を変更し、コロナ感染者と接触しても無症状であれば検査を受ける必要はないと提言。政治的動機に基づく決定として、批判の声が上がっている。
WHOの疫学専門家は、症状を発症している感染者が優先されるとしつつも、感染の疑いがある人や感染者と接触した人も可能な限り検査を受けることを提言すると述べた。
WHOの緊急事態対応を統括するマイク・ライアン氏は、集団感染の発生時などには、無症状であっても検査を受けることは理にかなっているが、広範な集団への検査は多額のコストがかかり非実現的と指摘。「(検査を受けることが)適切と判断される人への検査に注力する必要がある。検査の質、結果を入手するスピードに焦点を当てるべき」と述べた。
また、WHOのテドロス事務局長は、コロナのパンデミック(世界的大流行)中の国際保健規則(IHR)が十分に機能していたかを審査する委員会を設置し、初回の会合は9月8─9日に行うと明らかにした。