[ベルリン 8日 ロイター] - ドイツ連邦統計庁が発表した7月の輸出は前月比4.7%増となった。ただ、新型コロナウイルス危機前の水準は大きく下回っており、景気回復のスピードが遅々としたものになることが示された。
輸入は前月比1.1%増にとどまり、季節調整後の貿易黒字は180億ユーロとなった。
エコノミストは、ドイツ経済が第3・四半期にプラス成長に転じると予想。ロックダウン(都市封鎖)解除後、ドイツ国内や主な貿易相手国の一部でみられる経済活動の活発化が支援するとみている。
ただ、依然として新型コロナ禍が続く米国など主要な貿易相手国からの需要は弱く、回復は力強さに欠けている。
対米輸出は前年比17%減、対中輸出は0.1%減だった。
INGのユーロ圏担当チーフエコノミスト、クリステン・ブレスキー氏は「この数値は(年後半の)ドイツの国内総生産(GDP)が急拡大するとのわれわれの見通しにとっては良いニュースであり、輸出セクターが再び盛り上がっていることを示すものだが、楽観的になりすぎるのは禁物だ」と述べた。
その上で「これらは反動増にすぎない。実際、ドイツの輸出セクターは、主要貿易相手国がコロナ対応に苦慮していることや、貿易摩擦、英国の欧州連合(EU)離脱、国際供給網の断絶など構造的な問題を抱えている」と指摘した。
第2・四半期のドイツのGDP改定値は前期比9.7%減と、1970年の四半期統計開始以降で最大の落ち込みを記録。[nL4N2FR1X6] 新型コロナの影響で、家計支出、企業投資、貿易が総崩れとなった。
7月の輸出は、2月の水準を約12%下回っている。
*内容を追加しました。 OLJPBUS Reuters Japan Online Report Business News 20200908T083615+0000