[ムンバイ 13日 ロイター] - インドのバルダン保健・家族福祉相は13日、新型コロナウイルスワクチンを高齢者や高リスク業種に従事する人々を中心に緊急承認する方向で検討していると明らかにした。同国のコロナ感染者は475万人を突破し、急速な感染拡大がなお続いている。
インドでは今月に入って連日、1000人以上がコロナ感染症で死亡しており、累計の死者は7万8586人に達した。累計の感染者数は米国に次いで世界で2番目に多く、8月半ば以降は、1日の新規感染者数が米国を上回っている。
バルダン氏は「インドはCOVID─19(コロナ感染症)ワクチンの緊急承認を検討している」と表明。「コンセンサスが得られれば実行に移す可能性がある。とりわけ、高齢者と高リスクの環境で働く人たちが対象になる」とした。
緊急承認によってワクチンの第3相臨床試験のスケジュールが短縮される可能性があると説明した上で、治験で手を抜くことはなく、政府が安全性と有効性を確認できてはじめて、ワクチンが実用化されることになると強調した。
ワクチン実用化の具体的な日程は決まっていないが、治験の結果は2021年第1・四半期までに明確になるはずだと述べた。
「政府は最近、リスクが高い人々へのワクチンの配分に関するさまざまな問題を検討するため、ワクチンの専門家グループを設置した」と明らかにした。
保健省がこの日、新たに報告した新型コロナ感染者は9万4372人で、死者は1114人に上った。