*15:03JST 日本リビング保証 Research Memo(3):卓越した新商品企画開発力とスピードが企業成長のエンジン(1)
■会社概要
3. 特徴と強み
(1) 事業ポジション(立ち位置)
日本リビング保証 (TYO:7320)では、住宅業界(住宅会社や住宅オーナー)をマーケットに、バックヤード側に損害保険会社(長期保証の保険リスク)、修理・点検協力会社(住宅修理・点検サービス)等と連携できる中立かつ自立した事業ポジションを築いている。
(2) 卓越した商品企画開発力とそのスピード
創業メンバーの「常に20~30%成長する企業にしていきたい。
成長が止まるとつまらない」との思いから創業当時から商品開発には相当力を入れていたようである。
試行錯誤で新商品開発、市場投入、商品改良と次期商品企画を繰り返してきた。
その間には失敗(販売中止の商品)もあったが、新商品を投入し続け、商品に磨きがかかり、業界随一の商品ラインナップとワンストップソリューション体制の確立の原動力となった。
新商品開発は、今でも年間5~6テーマを上市するそうである。
新陳代謝を促進し、よい商品が生き残る仕組みになっている。
(3) コンサルティングセールスできめ細かい顧客ニーズを吸上げ、提案型営業を推進
営業本部は約60名の人材を抱えている(全従業員の1/3)。
同社の保証サービスの営業には、住宅会社・工務店の経営・業務知識や保険・保証知識が必要で、「(問題解決型)コンサルティングセールス」の素養が求められる。
どちらかというと、経営コンサルティングに近いのかもしれない。
顧客の悩み(ニーズ)と自社の商品・サービスを調べ尽くして、ニーズに最も適合する自社のサービスやソリューションを提案する。
営業担当者は、顧客資産数千社(マンションデベロッパー、住宅会社、工務店等)を中心に、新規顧客開拓(新築需要)と、顧客がどういう悩みで同社のサービスを利用して、その悩みをどう解決できたかを継続的にフォローする専門部署も設けてフォローアップ営業にも取り組んでいる。
(4) ワンストップソリューション
同社は金融(電子マネー発行、決済システム等)、オペレーション(点検検査サービス、メンテナンスサービス等)、保証(修理保証、資産価値保証など)を組み合わせたカスタマイズ性の高いスキームでワンストップにソリューションを提供できることが同社の最大の強みである。
また、住宅分野のアフターサービスで、各種ソリューションをフルラインナップし、ワンストップで提供できる点でも同社の優位性が発揮できている。
4. 企業ビジョン“We are a WorthTech Company.”
同社では様々な保証サービス商品を展開してきたなか、“どういうサービスを提供する会社なのか”説明し難い状況になっているといった悩みを5年ほど抱えていたものの、安達社長が中心となり「新しい企業ビジョンと成長戦略」づくりに取り組んでいる。
同社の強みや目指す方向など全て洗い出し、会社のパーパス(存在意義)、目指す方向性や会社のカタチ(事業ポートフォリオや組織)について、リデザインし、最終的に纏まったのが“We are a WorthTech Company.”である。
2009年「住宅設備の延長保証サービス」を業界初で提供して以来、同社は住宅の価値を高めるオンリーワンのサービスを提供してきた。
デジタル革命などで商品・サービスが高度化・複雑化するなか、「確かな価値」に対するニーズが高まっている。
そのような時代を先取るため、同社では「独創的なリアルとデジタルのサービスで、暮らしの資財価値を最大化する“WorthTech Company”」として企業ブランドをリブランディングすることとなった。
「資財価値を最大化する」には、従来の2つの事業(HomeworthTech事業とExtendTech事業)が包含されており、より高い視座からの価値提供の表現になっている。
何故、「WorthTech=資財価値」というワードを使っているのかを同社に確認したところ、「Valueだと安っぽい、お値打ち感がでてしまう。
価値のあるモノをさらに評価するということでWorthにした」と回答が返ってきた。
(1) 新たなスローガン“To worthful life”
新たなスローガン“To worthful life”は従来のスローガン“100年の価値を、すべての住まいに。
”をさらに昇華させた格好となっている。
同スローガンをもとに「価値あふれる暮らしの実現」を同社の合言葉としている。
(2) 新たなMISSION“独創的なリアルとデジタルのサービスで、暮らしの資財価値を最大化する”
(3) 新たなVISION“変わらない価値を、暮らしのすべてに”
新たなMISSIONやVISIONには、これまでコア事業領域としてきた住宅領域でのビジネス展開に限らず、「新たな領域への挑戦」の強い意思が感じられる。
また、「リアルとデジタル」にこだわっており、保証サービス業者として、手段であるリアル(点検・メンテナンス)とデジタル(電子マネーや決済アプリなどのFinTech)まで踏み込んでいることが高く評価できる。
(4) 提供する価値
同社の強みである「保証」「金融」「オペレーション」の3つのビジネスソリューションをデジタルアップデート(デジタル技術で融合)して暮らしの資財価値を最大化する。
具体的には、モバイルアプリ「おうちマネージャー」(2021年10月リリース)はエンベディトファイナンス(組込型金融)として、各住宅事業者専用の積立制度・決済インフラを提供している。
同社が提供するソリューションのイメージ
この企業ビジョンには秀逸なキーワードが散りばめられており、同社の真意が見えてくる。
同社を大局的かつ長期的視点から俯瞰していることが伺える。
この企業ビジョンなら少なくとも2030年までの10年間は十分通用すると弊社では考えている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水啓司)
3. 特徴と強み
(1) 事業ポジション(立ち位置)
日本リビング保証 (TYO:7320)では、住宅業界(住宅会社や住宅オーナー)をマーケットに、バックヤード側に損害保険会社(長期保証の保険リスク)、修理・点検協力会社(住宅修理・点検サービス)等と連携できる中立かつ自立した事業ポジションを築いている。
(2) 卓越した商品企画開発力とそのスピード
創業メンバーの「常に20~30%成長する企業にしていきたい。
成長が止まるとつまらない」との思いから創業当時から商品開発には相当力を入れていたようである。
試行錯誤で新商品開発、市場投入、商品改良と次期商品企画を繰り返してきた。
その間には失敗(販売中止の商品)もあったが、新商品を投入し続け、商品に磨きがかかり、業界随一の商品ラインナップとワンストップソリューション体制の確立の原動力となった。
新商品開発は、今でも年間5~6テーマを上市するそうである。
新陳代謝を促進し、よい商品が生き残る仕組みになっている。
(3) コンサルティングセールスできめ細かい顧客ニーズを吸上げ、提案型営業を推進
営業本部は約60名の人材を抱えている(全従業員の1/3)。
同社の保証サービスの営業には、住宅会社・工務店の経営・業務知識や保険・保証知識が必要で、「(問題解決型)コンサルティングセールス」の素養が求められる。
どちらかというと、経営コンサルティングに近いのかもしれない。
顧客の悩み(ニーズ)と自社の商品・サービスを調べ尽くして、ニーズに最も適合する自社のサービスやソリューションを提案する。
営業担当者は、顧客資産数千社(マンションデベロッパー、住宅会社、工務店等)を中心に、新規顧客開拓(新築需要)と、顧客がどういう悩みで同社のサービスを利用して、その悩みをどう解決できたかを継続的にフォローする専門部署も設けてフォローアップ営業にも取り組んでいる。
(4) ワンストップソリューション
同社は金融(電子マネー発行、決済システム等)、オペレーション(点検検査サービス、メンテナンスサービス等)、保証(修理保証、資産価値保証など)を組み合わせたカスタマイズ性の高いスキームでワンストップにソリューションを提供できることが同社の最大の強みである。
また、住宅分野のアフターサービスで、各種ソリューションをフルラインナップし、ワンストップで提供できる点でも同社の優位性が発揮できている。
4. 企業ビジョン“We are a WorthTech Company.”
同社では様々な保証サービス商品を展開してきたなか、“どういうサービスを提供する会社なのか”説明し難い状況になっているといった悩みを5年ほど抱えていたものの、安達社長が中心となり「新しい企業ビジョンと成長戦略」づくりに取り組んでいる。
同社の強みや目指す方向など全て洗い出し、会社のパーパス(存在意義)、目指す方向性や会社のカタチ(事業ポートフォリオや組織)について、リデザインし、最終的に纏まったのが“We are a WorthTech Company.”である。
2009年「住宅設備の延長保証サービス」を業界初で提供して以来、同社は住宅の価値を高めるオンリーワンのサービスを提供してきた。
デジタル革命などで商品・サービスが高度化・複雑化するなか、「確かな価値」に対するニーズが高まっている。
そのような時代を先取るため、同社では「独創的なリアルとデジタルのサービスで、暮らしの資財価値を最大化する“WorthTech Company”」として企業ブランドをリブランディングすることとなった。
「資財価値を最大化する」には、従来の2つの事業(HomeworthTech事業とExtendTech事業)が包含されており、より高い視座からの価値提供の表現になっている。
何故、「WorthTech=資財価値」というワードを使っているのかを同社に確認したところ、「Valueだと安っぽい、お値打ち感がでてしまう。
価値のあるモノをさらに評価するということでWorthにした」と回答が返ってきた。
(1) 新たなスローガン“To worthful life”
新たなスローガン“To worthful life”は従来のスローガン“100年の価値を、すべての住まいに。
”をさらに昇華させた格好となっている。
同スローガンをもとに「価値あふれる暮らしの実現」を同社の合言葉としている。
(2) 新たなMISSION“独創的なリアルとデジタルのサービスで、暮らしの資財価値を最大化する”
(3) 新たなVISION“変わらない価値を、暮らしのすべてに”
新たなMISSIONやVISIONには、これまでコア事業領域としてきた住宅領域でのビジネス展開に限らず、「新たな領域への挑戦」の強い意思が感じられる。
また、「リアルとデジタル」にこだわっており、保証サービス業者として、手段であるリアル(点検・メンテナンス)とデジタル(電子マネーや決済アプリなどのFinTech)まで踏み込んでいることが高く評価できる。
(4) 提供する価値
同社の強みである「保証」「金融」「オペレーション」の3つのビジネスソリューションをデジタルアップデート(デジタル技術で融合)して暮らしの資財価値を最大化する。
具体的には、モバイルアプリ「おうちマネージャー」(2021年10月リリース)はエンベディトファイナンス(組込型金融)として、各住宅事業者専用の積立制度・決済インフラを提供している。
同社が提供するソリューションのイメージ
この企業ビジョンには秀逸なキーワードが散りばめられており、同社の真意が見えてくる。
同社を大局的かつ長期的視点から俯瞰していることが伺える。
この企業ビジョンなら少なくとも2030年までの10年間は十分通用すると弊社では考えている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水啓司)