[ロンドン 23日 ロイター] - 英ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)のグランサム研究所は23日、世界のエネルギー・公益・鉱業部門の「カーボンメジャー」(温室効果ガスの排出量が特に多い企業)について、気候関連訴訟が起こされた場合、最も大幅な株価の下落に見舞われると指摘、財務リスクとして訴訟を考慮に入れる必要があるとの論文をまとめた。
論文のタイトルは「気候関連訴訟が企業価値に及ぼす影響」。2005─21年に欧米上場企業に対して起こされた108件の訴訟を調べた。
訴訟の範囲は広範だが、訴訟と株価の間には因果関係が見られ、提訴や不利な判決により企業価値が期待値に対して平均0.41%目減りした。
最も影響が大きかったのは、エネルギー集約型のエネルギー・鉱業・公益部門で特に排出量の多い企業に対する訴訟。企業価値は提訴後に0.57%、不利な判決が出た後に1.5%目減りした。
新たな法的主張が展開された「目新しい」訴訟や、過去に訴訟が提起されたことのない領域では、株価の反応が大きくなるという。