[ニューヨーク/ロンドン 10日 ロイター] - 終盤のニューヨーク外為市場では、ドル安・ユーロ高となった。米連邦準備理事会(FRB)高官によるハト派的な発言や中国による景気刺激策への期待から米債利回りが急低下したことを受けた。
米アトランタ地区連銀のボスティック総裁は10日、FRBは「これ以上利上げする必要はない」という見解を示した。また、これまでの利上げで米経済が減速しインフレ率が鈍化しても、リセッション(景気後退)に陥ることはないとみているとした。
これを受け、ドルが下落。米10年債利回りは9日に付けた高水準の4.887%から4.618%に急低下した。
FXストリートのシニアアナリスト、ジョセフ・トレビサニ氏は、ボスティック総裁の発言はイスラエルとパレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム組織ハマスの紛争を受けたものと指摘。「中東情勢が悪化すれば金利を引き下げるという、危機に対するFRBの典型的かつ標準的で歴史的に繰り返されてきた対応を見ることになる。FRBが世界観に中東情勢を考慮に入れることはほぼ予想できるし、それによって金利が引き下げられる」とした。
ユーロ/ドルは0.3%上昇の1.0604ドル。一方、ドル指数は0.19%安の105.75。一時今月の最安値を付けた。
ブルームバーグは、中国が2023年の財政赤字拡大を容認することを検討しており、経済成長率目標を達成するため新たな景気刺激策の準備を政府が進めていると報じた。政策当局は水利事業などインフラ整備に向け少なくとも国債1兆元を追加発行する可能性について話し合っているという。
円は対ドルで0.13%安の1ドル=148.68円。共同通信は10日、日銀が2023年度の消費者物価上昇率の見通しを、7月に示した前年度比2.5%から3%近くに上方修正する検討に入ったと報じた。これを受け、円が一時買われたが、その後反転した。
イスラエルの通貨シェケルは1ドル=3.9550シェケル。9日に付けた約8年ぶりの安値からやや回復した。
伝統的な安全通貨であるスイスフランは0.21%安の1ドル=0.9045フラン。英ポンドは0.40%高の1.2286ドル。
ドル/円 NY終値 148.70/148.73
始値 148.94
高値 149.11
安値 148.55
ユーロ/ドル NY終値 1.0603/1.0607
始値 1.0591
高値 1.0619
安値 1.0573