8日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。
・クリントン勝利も、選挙通過後のリスク面を警戒する動きも
・ドル・円は104円32銭付近、ドルもみあい、米大統領選を見極める展開
・ディスコ、三井物産など9社の目標株価変更
■クリントン勝利も、選挙通過後のリスク面を警戒する動きも
日経平均は小幅に下落。
26.37円安の17150.84円(出来高概算8億1000万株)で前場の取引を終えた。
7日の米国市場では、大統領選への不透明感が後退したとの見方からNYダウは370ドル高と急伸。
既に織り込んではいるものの、米国市場の上昇の流れを引き継ぐ格好から買いが先行した。
ただし、寄付き直後につけた17247.04円を高値にこう着感が強まっており、前場半ばあたりから次第に上げ幅を縮め、結局は下げに転じてしまっている。
セクターでは保険、海運、精密機器、鉄鋼、輸送用機器、非鉄金属がしっかり。
半面、鉱業、倉庫運輸、医薬品、陸運、繊維、食料品が利食いに押されている。
東証1部の騰落銘柄は、値下がり数が1000を超えており、全体の過半数を占めている。
規模別指数は大型株指数のみがプラス圏をキープしている。
米大統領選ではヒラリー・クリントン大統領が予想されているが、予断を許さないとの慎重な見方もあり、一先ず短期筋などは前日の上昇に対する利益確定にシフトしているようである。
まずは結果を見極めてからといったスタンスであろう。
既に多くのメディアによる予想ではクリントン氏勝利が確実視されている。
一部のファンドなどはトランプ氏の逆転を警戒してヘッジしているとも伝えられており、予想通りクリントン氏勝利となれば、ヘッジ解消に伴う買戻しが相場を押し上げる可能性はある。
しかし、クリントン氏についても、規制拡大と富裕層などへの増税、歳出増を訴えており、投資家にはあまり歓迎されていないが、トランプ氏の政策よりリスクは低いとみられている。
選挙通過後のリスク面を警戒する動きも出てくる可能性があるため、模様眺めムードが強まりそうだ。
市場の関心は決算に移るが、トヨタ自 (T:7203)の動向が注目される。
(株式部長・アナリスト 村瀬智一)
■ドル・円は104円32銭付近、ドルもみあい、米大統領選を見極める展開
8日午前の東京外為市場では、ドル・円はもみあい。
現地時間8日投開票の米大統領選を見極める展開で、狭いレンジ内で株価に連動した値動きとなった。
ドル・円は、米連邦捜査局(FBI)による民主党クリントン候補への訴追見送りを受け、同氏の勝利を見込んだドル買い・円売りに振れやすい展開。
日経平均が反落した場面ではドルは104円34銭まで下落したがその後は値を戻した。
ランチタイムの日経平均先物はやや下げ幅を拡大しているが、選挙結果が判明するまでは積極的な売り買いは手控えられる見通し。
株価の値動きが限定的ならリスク回避的な円買いはそれほど強まらないだろう。
ここまでのドル・円の取引レンジは104円34銭から104円59銭、ユーロ・円は115円16銭から115円51銭、ユーロ・ドルは1.1033ドルから1.1050ドルで推移した。
12時20分時点のドル・円は104円32銭、ユーロ・円は115円15銭、ポンド・円は129円30銭、豪ドル・円は80円32銭で推移している。
(為替・債券アナリスト 吉池威)
■後場のチェック銘柄
・ディスコ (T:6146)、三井物産 (T:8031)など9社の目標株価変更
・サイネックス (T:2376)、モブキャスト {{|0:}}、イグニス {{|0:}}がストップ高
※一時ストップ高(気配値)を含みます
・スズケン (T:9987)、ランチタイムに業績予想の修正を発表
・テクノマセ (T:3787)、ランチタイムに業績予想の修正を発表
・大泉製作所 {{|0:}}、ランチタイムに業績予想の修正を発表
・オーミケンシ (T:3111)、ランチタイムに決算発表
・シキボウ (T:3109)、ランチタイムに決算発表
・メイテック (T:9744)、ランチタイムに決算発表
・麻生財務相
「(米大統領選に関連し)為替の安定は常に大事」
・石原経済再生相
「(米大統領選について)誰がなっても金融市場を注視する」
☆後場の注目スケジュール☆
・特になし
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