23日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。
・利食い優勢も底堅い、個人主体の中小型株物色が活発
・ドル・円は101円14銭付近、戻り試しで101円台を回復
・自動車株の下げ目立つ
■利食い優勢も底堅い、個人主体の中小型株物色が活発
日経平均は反落。
20.73円安の16786.89円(出来高概算9億9000万株)で前場の取引を終えている。
日経平均は売り先行で始まった。
米国市場は続伸となったが、FOMCの結果を受けて円相場が1ドル100円70銭台での推移となるなか、利食い優勢の展開に。
ただし、寄付き直後に16725.53円まで下げ幅を広げた後は下げ渋りをみせており、前引け間際には一時上昇に転じる局面もみられている。
東証1部の騰落銘柄は、値上がり数が1000を超えており、全体の過半数を占めている。
規模別指数では小型株指数のみが上昇。
セクターでは情報通信、海運、鉱業、建設、医薬品、ゴム製品、食料品、精密機器がしっかり。
半面、証券、その他金融、輸送用機器、銀行、電力ガス、保険、空運、不動産が冴えない。
売買代金上位では任天堂 (T:7974)、トヨタ自 (T:7203)、メガバンク3行、第一生命 (T:8750)、村田製 (T:6981)が下落。
ソフトバンクグ (T:9984)、リクルートHD (T:6098)、ソニー (T:6758)、ファーストリテ (T:9983)、KDDI (T:9433)が堅調。
米利上げ先送りによる円高が重しとなったが、政府・日銀が臨時会合を開き、円高をけん制するなか、円相場は落ち着いた動きをみせている。
長短金利操作付き量的・質的金融緩和導入を受けた21日の300円超の上昇の反動も意識されるなか、連休の谷間で参加者も限られていることからみれば、底堅い展開であろう。
後場は日銀によるETF買入れも意識されるため、再びプラス圏の回復が期待されるところである。
物色は自動車など主力の輸出関連が冴えないなか、個人主体の中小型株物色が活発である。
10月3日からのノーベル賞受賞者発表を控えて、候補者に関連する銘柄への物色が強まってきている。
短期筋の値幅取り狙いの資金が中心であろうが、バイオ株などはこのところ物色の圏外に置かれていたこともあり、資金が向かいやすいとみられる。
(株式部長・アナリスト 村瀬智一)
■ドル・円は101円14銭付近、戻り試しで101円台を回復
23日午前の東京外為市場では、ドル・円は底堅い展開。
日経平均株価は弱含んだが、ドルは戻りを試す値動きとなり、101円台を回復した。
ドル・円は100円70銭台で寄り付いた後、国内勢による買戻しで上昇基調となった。
日経平均は弱含む展開が続いたが、石原伸晃経済再生相が閣議後の記者会見で「為替市場の動向を注視していく」と述べ、足元の円高をけん制した。
こうした発言で円買いは弱まったようだ。
ただ、前日の取引で100円下抜けトライに失敗したことでドルは反転し、足元は戻りを試す展開となっているが、米利上げペース鈍化の観測でドル売り基調に変わりはないようだ。
ランチタイムの日経平均先物はやや弱含んでおり、午後も日本株安が続けばドルは失速する可能性があろう。
ここまでドル・円は100円70銭から101円24銭、ユーロ・円は112円88銭から113円44銭、ユーロ・ドルは1.1200ドルから1.1212ドルで推移した。
12時20分時点のドル・円は101円14銭、ユーロ・円は113円24銭、ポンド・円は131円88銭、豪ドル・円は77円21銭で推移している。
(為替・債券アナリスト 吉池威)
■後場のチェック銘柄
・自動車株の下げ目立つ
・値上がり寄与トップはKDDI (T:9433)、2位ファーストリテ (T:9983)、2銘柄で約36円の押し上げ
・菅官房長官
「日銀の政策は日銀にゆだねる」
・石原経済再生相
「為替市場の動向を注視していく」
「FOMC声明から利上げは近いと判断」
「日銀の政策転換はそれなりにうまくいった」
☆後場の注目スケジュール☆
・特になし
<WA>