■業績動向
1. 2017年3月期決算の概要
ルネサスイーストン (T:9995)の2017年3月期決算は、売上高77,581百万円(前期比1.0%減)、営業利益1,168百万円(同20.9%増)、経常利益1,239百万円(同26.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益831百万円(同2.8%増)と増収増益で着地した。
期初予想との比較では、売上高については80,000百万円の予想に対して3.0%の未達となったが、営業利益以下の各利益項目は20%近く上回っての着地となった。
2017年3月期は3ヶ年中期経営計画『Project“C”』の初年度に当たるが、利益面で計画をしっかりと上回ったことで、順調な滑り出しを見せた1年であったとポジティブに評価している。
売上高の商品別内訳を見ると、主力の集積回路が前期比4.7%(2,700百万円)減収の55,031百万円となった。
集積回路の減収は、製品のライフサイクルや一部、熊本地震の影響などだった。
半導体素子は前期比3.9%(445百万円)増収の11,783百万円となった。
パワーデバイスが自動車向けや民生分野向けに増加したことが貢献した。
表示デバイスは同28.2%(553百万円)増収の2,515百万円となった。
液晶パネルがアミューズメント分野向けに伸長した。
その他(主として一般電子部品)は同12.4%(909百万円)増収の8,250百万円となった。
産業分野向けにパーツの需要が伸びた。
2. 売上高の商品別内訳
一方、利益面では、売上高は減収となったものの、売上総利益率が改善したことにより、売上総利益は前期比262百万円の増益となった。
販管費の増加が同59百万円に抑制された結果、営業利益は同202百万円増加した。
対売上高比率では、売上総利益率は前期の9.3%から9.7%に0.4ポイント改善した。
販管費率は前期の8.1%から8.2%へ0.1ポイントの悪化にとどまった結果、営業利益率は前期の1.2%から1.5%に0.3ポイント改善した。
2017年3月期について四半期ベースの推移を見ると、第1四半期を底に尻上がりに回復したことが明確にわかる。
第3四半期には売上高が7四半期ぶりに200億円の大台を超え、第4四半期にはさらに続伸した。
利益的には第3四半期がピークとなり、経常利益が増加した。
こうした四半期推移となったのは、2016年3月期の下半期において、中国における工場稼働率や設備投資が一時的にスローダウンしたことの影響が大きい。
2017年3月期はその影響が残るなかでスタートし、英国のEU離脱問題などで世界経済の先行きに警戒感が広がった結果、第1四半期は非常に低い水準からのスタートとなった。
第2四半期に入ると中国での設備稼働率が改善し、設備投資も復活したことで、同社の各種商材、特に半導体素子や表示デバイス等への需要が増加し、業績回復・売上高トレンドへと転換した。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)
1. 2017年3月期決算の概要
ルネサスイーストン (T:9995)の2017年3月期決算は、売上高77,581百万円(前期比1.0%減)、営業利益1,168百万円(同20.9%増)、経常利益1,239百万円(同26.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益831百万円(同2.8%増)と増収増益で着地した。
期初予想との比較では、売上高については80,000百万円の予想に対して3.0%の未達となったが、営業利益以下の各利益項目は20%近く上回っての着地となった。
2017年3月期は3ヶ年中期経営計画『Project“C”』の初年度に当たるが、利益面で計画をしっかりと上回ったことで、順調な滑り出しを見せた1年であったとポジティブに評価している。
売上高の商品別内訳を見ると、主力の集積回路が前期比4.7%(2,700百万円)減収の55,031百万円となった。
集積回路の減収は、製品のライフサイクルや一部、熊本地震の影響などだった。
半導体素子は前期比3.9%(445百万円)増収の11,783百万円となった。
パワーデバイスが自動車向けや民生分野向けに増加したことが貢献した。
表示デバイスは同28.2%(553百万円)増収の2,515百万円となった。
液晶パネルがアミューズメント分野向けに伸長した。
その他(主として一般電子部品)は同12.4%(909百万円)増収の8,250百万円となった。
産業分野向けにパーツの需要が伸びた。
2. 売上高の商品別内訳
一方、利益面では、売上高は減収となったものの、売上総利益率が改善したことにより、売上総利益は前期比262百万円の増益となった。
販管費の増加が同59百万円に抑制された結果、営業利益は同202百万円増加した。
対売上高比率では、売上総利益率は前期の9.3%から9.7%に0.4ポイント改善した。
販管費率は前期の8.1%から8.2%へ0.1ポイントの悪化にとどまった結果、営業利益率は前期の1.2%から1.5%に0.3ポイント改善した。
2017年3月期について四半期ベースの推移を見ると、第1四半期を底に尻上がりに回復したことが明確にわかる。
第3四半期には売上高が7四半期ぶりに200億円の大台を超え、第4四半期にはさらに続伸した。
利益的には第3四半期がピークとなり、経常利益が増加した。
こうした四半期推移となったのは、2016年3月期の下半期において、中国における工場稼働率や設備投資が一時的にスローダウンしたことの影響が大きい。
2017年3月期はその影響が残るなかでスタートし、英国のEU離脱問題などで世界経済の先行きに警戒感が広がった結果、第1四半期は非常に低い水準からのスタートとなった。
第2四半期に入ると中国での設備稼働率が改善し、設備投資も復活したことで、同社の各種商材、特に半導体素子や表示デバイス等への需要が増加し、業績回復・売上高トレンドへと転換した。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)