[ワシントン 21日 ロイター] - 全米リアルター協会(NAR)が21日に発表した1月の米中古住宅販売戸数(季節調整済み)は年率換算で前月比1.3%減の546万戸だった。市場予想は1.8%減の543万戸だった。販売戸数は減ったものの、住宅着工許可件数や建設中の住宅件数は13年ぶりの高水準にあり、供給不足による制約が軽減する可能性がある。
2019年12月の中古住宅販売戸数は当初発表の554万戸から553万戸へ下方改定された。
1月の地域別の内訳は、北東部が前月から横ばい。中西部と人口が多い南部では増加した。一方、価格が最も高い西部は減った。
1月の前年同月比は9.6%増だった。中古住宅販売は米住宅市場の約90%を占める。
19日に発表された1月の住宅着工許可件数は07年3月以来の高水準を付けた。建設中の住宅は07年2月以来の高水準だった。
住宅ローン金利は3年超ぶりの低水準にあり、住宅市場を下支えしている。新型コロナウイルスの影響や個人消費の鈍化、設備投資の低迷がリスクとなる中、住宅市場が景気拡大を維持する要因となり得る。景気拡大は11年目に入っている。昨年3回利下げした米連邦準備理事会(FRB)は少なくとも年末までは金利を据え置くとみられる。
1月の住宅在庫は前年同月比で10.7%減の142万戸だった。販売価格中央値は前年同月比6.8%増の26万6300ドルだった。
1月の販売ペースに基づく在庫の消化期間は3.1カ月。12月の3.0カ月から伸びた。昨年1月の3.8カ月からは縮小。健全な需給バランスには6ー7カ月が適切とされている。
1月の販売に占める初回購入者の割合は32%で、12月の31%、前年同月の29%から増加した。
ナロフ・エコノミック・アドバイザーズのチーフエコノミスト、ジョエル・ナロフ氏は「今四半期は住宅投資が成長の鍵になるとみている」と話した。