[ウェリントン/シドニー 13日 ロイター] - ニュージーランド(NZ)準備銀行(中央銀行)は13日に金融政策会合を開き、量的緩和(QE)策の一環として導入した資産買い入れの規模を倍に拡大したほか、将来的なマイナス金利の可能性を示唆した。
政策金利のオフィシャル・キャッシュレート(OCR)は、予想通り0.25%に据え置いた。一方、「必要な場合には」一段の利下げや外国資産の購入を含む追加措置を講じる用意があると表明した。
中銀は4─6月の国内総生産(GDP)を21.8%減、7─9月のGDPを23.8%増と予想。こうした中、金利がゼロを割り込む可能性を示唆した格好だ。
中銀の発表を受けて、NZドル
中銀は、2021年初めまで金利を0.25%に据え置くというフォワードガイダンスを改めて確認したが、マイナス金利は「将来の選択肢」とも指摘した。
オア総裁は記者団に対して「あらゆる選択肢を活用可能にしておくことが肝要だ」とした上で「他のツールとともに、マイナス金利の活用も検討していく。こうした選択肢を使う必要がないことが望まれる」と語った。
ウエストパックのエコノミスト、ドミニク・スティーブンス氏は「中銀は先行きの見通しに確信が持てないのではないか。声明文では、リスクが下向きであることが、何度も言及された」と指摘。「フォワードガイダンスは状況の変化に応じて定期的に改訂される。当社は、政策金利が11月にマイナス0.5%に引き下げられるとの予想を維持する」と述べた。
中銀は今回、資産買い入れの規模を330億NZドルから600億NZドル(362億米ドル)に拡大。物価連動国債の買い入れを始めることも明らかにした。
13日会合の議事要旨では、委員会はマイナス金利が将来の選択肢になる可能性があるとしつつ、現時点で金融機関は対応する準備ができていないと指摘。マイナス金利への備えについて金融機関と協議中とした。
中銀は2021年初めまで金利をこの水準に据え置く方針を強調したものの、必要なら調整の用意があると表明。声明文で「金融政策委員会は必要な場合、OCRのさらなる引き下げを含め、さらに金融政策ツールを利用する準備がある」とした。
委員会は量的緩和プログラムへの新たな資産追加や銀行向け固定期間ローン供給といったその他ツールも検討する可能性があるとした。
中銀は当面は、今回の資産買い入れ拡大が景気を刺激する上で「最も効果的だ」と表明。「資産買い入れ規模は、イールドカーブ全体の金利低下を促すため十分に大規模なものとする必要があった」と説明した。
NZでは新型コロナの感染拡大ペースが鈍化しており、14日から商業施設などの営業を条件付きで再開する方針を決定している。
*内容を追加しました。