[ベルリン 13日 ロイター] - ドイツ経済省は13日、月報を発表し、最近のインフレ率の上昇は一時的との認識を示した。インフレ高進は特殊な要因によるもので、こうした要因は来年早々にも弱まるとした。
ドイツの7月の消費者物価指数(CPI)速報値は、欧州連合(EU)基準(HICP)で前年比3.1%上昇と、2008年8月(3.3%上昇)以来、約13年ぶりの高水準となった。これを受けて、統一サービス産業労働組合(Verdi)は「大幅な賃上げ」を要求した。
経済省は月報で「インフレ率の持続的な上昇は、現在の観点からは予想されない」と指摘。「現時点では、永続的な高インフレにつながるような、賃金と物価の連鎖的上昇の兆候は見られない」と説明した。
同省は、インフレ率上昇の主な要因について、新型コロナウイルス禍を受けて2020年下半期に行われた付加価値税(VAT)の一時的な税率引き下げに伴うベース効果を挙げた。その上で、こうした効果がなくなれば、インフレ率は大幅に鈍化するとの見通しを示した。
同省はまた、サービス業が新型コロナ感染予防のための行動制限の緩和の恩恵を受ける一方、製造業はサプライチェーンの目詰まりに苦慮するなど、業界によって回復速度に差が出ているとしつつ「経済全体の前向きな動きは続いており、景気回復を後押ししている」と強調した。