[ニューヨーク 16日 ロイター] - 米財務省が16日発表した6月の対米証券投資統計によると、海外投資家の米国債保有は昨年2月以来の大きさとなった。アナリストによると、幅広い需要が見られ、6月の米国債利回り低下につながった。
海外投資家の米国債保有は6月に7兆2020億ドルと、前月の7兆1350億ドルから増加し、過去2番目の大きさとなった。
TD証券のシニア米金利ストラテジスト、ゲンナディー・ゴールドバーグ氏は「米国債保有の増加が最も大きかった国にはアイルランドやケイマン諸島、ルクセンブルクなど証券保管機関がある国も含まれ、幅広い買いが見られたことがうかがえる」と指摘。
その上で「これは6月の米国債価格上昇と合致している。米国債は5月、6月に買われたが、6月に金利押し下げ効果があったようだ」と述べた。
米10年債利回りは6月初めの1.6062%から、月末には1.4680%に低下した。
国別では日本の保有額が1兆2770億ドルで首位を維持。5月の1兆2660億ドルから増加した。
一方、中国の保有額は1兆0610億ドルで、5月の1兆0780億ドルから減少。昨年10月以来の低水準となった。
取引ベースでは、海外投資家は米国債を108億6000万ドル買い越した。5月は933億6000万ドルの売り越しだった。
米社債は6カ月連続の買い越し。買い越し額は138億3500万ドルで、5月の173億1000万ドルから減少した。
米国株は252億ドルの買い越し。5月は24億ドルの売り越しだった。
6月の対米証券投資は全体で315億ドルの買い越し。5月は982億ドルの買い越しだった。