[ワシントン 17日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)が17日発表した7月の鉱工業生産統計は、製造業生産指数が1.4%上昇した。世界的な半導体チップ不足に対応するために、自動車メーカーが設備更新のための稼働停止を縮小・中止したことで自動車生産が加速した。市場予想は0.6%上昇だった。
6月の製造業生産指数は0.3%低下だった。
7月の内訳は、自動車・同部品が11.2%上昇。FRBは「自動車メーカーは設備更新のために通常7月に工場を閉鎖するが、今回は多くのメーカーが計画を縮小もしくは中止した」と述べた。7月に生産が急増したものの、自動車・同部品の生産は2021年1月のピークを約3.5%下回っている。
自動車を除く製造業生産指数は0.7%上昇した。製造業全体の生産は7月に、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)前の水準を0.8%上回った。
鉱業は1.2%上昇。原油の値上がりに伴う掘削事業の活性化が追い風となった。公益事業は2.1%低下した。全体の鉱工業生産は0.9%上昇。6月は0.2%上昇していた。
企業がどれだけ資源をフル活用しているかを示す稼働率は、製造業が1.1%ポイント上昇の76.6%だった。全体の稼働率は0.7%ポイント上昇の76.1%だった。1972年─2020年の平均を3.5%ポイント下回った。
FRB当局者は、経済のスラック(需給の緩み)を見極める指標として稼働率に注目している。