[ロンドン 18日 ロイター] - 英国立統計局(ONS)が18日発表した7月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比2.0%上昇した。伸び率は前月から予想以上に縮小し、イングランド銀行(英中央銀行)の目標と一致した。
ただ経済が再開される中で物価は上昇しており、エコノミストは一時的な減速にすぎないとの見方を示している。
6月の上昇率は2.5%だった。ロイターがまとめたエコノミスト予想では2.3%の上昇が見込まれていた。
英中銀当局者が政策スタンスを修正する公算は小さいとの見方から、為替市場への影響はほとんど見られなかった。
昨年7月は新型コロナウイルスによる最初のロックダウン(都市封鎖)が緩和され物価が大幅に上昇したため、反動が出た可能性がある。
ONSによると、被服・履物、コンピューター、ゲーム、玩具などの価格が低下した。一方、中古車が物価上昇に最も大きく寄与した。
KPMG UKのチーフエコノミスト、ヤエル・セルフィン氏は英経済のインフレ圧力は強いとの見方を示した。
英中銀は、インフレ率が年末ごろに10年ぶりの高水準となる4.0%に上昇すると予想している。
セルフィン氏は「生産設備の拡大に伴い上昇率は来年末には2%付近へ低下するとみている。短期的には中銀による引き締めは最小限で済むだろう」と語った。
7月の生産者物価産出指数は前年比4.9%上昇と前月から伸びが拡大し市場予想を上回った。
生産者物価投入指数も予想を上回り10%近い伸びとなった。