[北京 16日 ロイター] - 中国国家統計局が16日に発表した1月の生産者物価指数(PPI)は前年比9.1%上昇と、伸び率は市場予想の9.5%、12月の10.3%を下回り、7月以来の低水準を記録した。原材料コスト抑制に向けた政府措置が圧迫要因となった。
1月の消費者物価指数(CPI)も前年比0.9%上昇と伸びが鈍化した。ロイターがまとめたエコノミスト予想は1%上昇。12月は1.5%上昇だった。不動産セクターの需要鈍化や新型コロナウイルス関連の新たな規制が背景。
アナリストは、インフレ鈍化によって中国人民銀行(中央銀行)は他の中銀が政策引き締めに動く中、景気支援に向けた政策緩和の余地を得られるとみている。
キャピタル・エコノミクスの中国担当エコノミスト、Sheana Yue氏は「インフレ懸念が(人民銀の)さらなる政策緩和を抑制する可能性は低い」と指摘。政策金利の追加引き下げが年央までに実施されると予想した。
ピンポイント・アセット・マネジメントのチーフエコノミスト、Zhiwei Zhang氏は「インフレ率の低下は、内需の弱さを反映している」と指摘。「マクロ政策はより景気刺激的になっているものの、その効果が経済に波及するには時間がかかる」と語った。
また、華宝信託のチーフエコノミスト、ニエ・ウェン氏は、当局が不動産市場の過熱をようやく抑えたとし、「利下げについては不動産市場を刺激せず、実体経済を支えるものになる」との見方を示した。
中国では特に主要部門の製造業が、世界的なエネルギー価格高による生産コストの上昇に苦しんできた。
1月のPPIでは石炭の採掘・選炭価格が前年比51.3%上昇した。石油・ガス抽出も38.2%上昇した。