[ワシントン 5日 ロイター] - 米供給管理協会(ISM)が5日発表した3月の非製造業景気指数(NMI)は58.3と4カ月ぶりに上昇した。2月は56.5と1年ぶりの低水準だった。支出がモノからサービスへ移行していることを示した。
新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)対策の規制の解除が追い風となったが、供給のひっ迫が続き、企業は引き続きコスト上昇に直面している。
新型コロナ新規感染者数の大幅な減少を受けて規制が全国で解除され、航空旅行や外食などのサービスに対する需要が高まっている。米政府が3月31日発表した2月の個人消費支出は、サービス支出の増加幅が過去7カ月で最大となり、モノへの支出は減少した。
ロイターがまとめた3月のNMIのエコノミスト予想は58.4だった。指数は50が景気拡大・縮小の節目。50を超える数値は、米国の経済活動の3分の2超を占めるサービス業の拡大を示している。
新規受注指数は60.1となり、1年ぶりの低水準だった2月の56.1から回復した。
雇用指数は54.0。2月は48.5まで低下していた。
労働需要の堅調さは、今月1日に発表された3月の雇用統計で確認され、非農業部門の雇用者数は前月より43万1000人増加した。
採用増にもかかわらず、受注残の減少はほとんど進まず、依然として不足に縛られていることを示している。
ロシアのウクライナ侵攻で、世界の供給制約が悪化している。
ISM非製造業の受注残指数は64.5。2月の64.2から上昇した。
3月の供給業者の納入を示す指数は63.4。2月の66.2から低下したものの、引き続き高い数値を示した。同指数が50を上回ると納入に時間がかかっていることを示す。
3月の仕入れ価格を示す指数は83.8と、2月の83.1から上がった。インフレが高止まりし、米連邦準備理事会(FRB)の積極的な対応につながる可能性を示している。