[ワシントン 15日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)が15日に発表した3月の鉱工業生産指数は前月より0.9%上昇し、3カ月連続で上昇した。市場予想は0.4%上昇だった。
自動車産業の急回復が全体を押し上げ、昨年来の生産難が最悪期を過ぎた可能性を示した。前年比は5.5%上昇。
製造業の生産指数は前月より0.9%上昇し、3カ月連続で上昇した。自動車・同部品の生産指数は前月より7.8%上昇し、伸び率は21年10月以来の大きさとなった。2月は4.6%減に下方改定された。乗用車にピックアップトラックなどを加えた自動車生産台数(季節調整済み、年率換算)は950万台弱となり、21年1月以来の高水準となった。2月は830万台だった。
設備稼働率は3月に78.3%へ上昇し、3年超ぶりの高水準。1972─2021年平均を1.2ポイント下回った。2月は77.7%だった。
製造業の稼働率は78.7%に上昇し、07年以来の高水準。2月は78.1%だった。FRBは、インフレ圧力が高まるまでに経済がどれだけ伸びる余地があるかの「スラック」(需給の緩み)を見極める指標として稼働率に注目している。
製造業は米経済の11.9%を占めており、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)によって消費がサービスからモノに移行した恩恵を受けてきた。しかし、労働市場が非常に逼迫(ひっぱく)し、中国での新型コロナ対策のロックダウン(都市封鎖)やロシアとウクライナの戦争による供給のボトルネックが続く中で、旺盛な需要への対応に苦慮してきた。
特に自動車産業は供給制約の大きな打撃を受けている。電子部品、特に現在の複雑化した操作システムに必要な半導体の世界的な不足により、1年超にわたって生産に支障を来してきた。