[東京 23日 ロイター] - 日経平均 .N225 前場終値 17473.8 +144.78 寄り付き 17520.63 安値/高値 17460.76─17532.06
東証出来高(万株) 100491 東証売買代金(億円) 10048.82
前場の東京株式市場で日経平均は続伸した。欧州中央銀行(ECB)が量的緩和(QE) 実施を決定し、欧米株が上昇。外部環境を好感した買いが優勢となった。上昇幅は前日終 値比で一時200円超となり、取引時間中としては1月5日以来、約3週間ぶりに1万7 500円を回復。ただ買い一巡後は週末要因で利益確定売りに押された。
ECBは22日、国債買い入れ型のQE実施を決定した。買い入れは月額600億ユ ーロのペースで3月に開始、2016年9月末まで継続する。QEの規模が市場予想を 上回ったことで、欧米の主要指数は軒並み上昇。ダウ .DJI は250ドル超高と大幅続伸 となった。
東京市場では主力輸出株が総じて堅調な滑り出し。値がさ株もファーストリテイリン グ 9983.T が1.24%高、ソフトバンク 9984.T が2.78%高となり、指数をけん引 した。セクター別では保険 .IINSU.T の上昇が目立つ一方、内需関連やディフェンシブ銘 柄の一角は軟調となった。
買い一巡後は利益確定売りで指数は上げ幅を縮小。HSBC/マークイットが発表し た1月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値が市場の予想をやや上回ったこ とで、強含む場面があったものの、前引けにかけては再び売りに押され、日経平均は1万 7500円を下回って午前の取引を終えた。
エース経済研究所の子幡健二社長は「不意打ちとなった昨年10月末の日銀の追加緩 和に比べ、今回のECBのQE決定はずいぶん前から市場に織り込まれてきた。ある意味 で材料出尽くし感も意識されている」と指摘。「市場の関心は国内企業の決算に向かいつ つある」との見方を示している。
個別銘柄では安川電機 6506.T が続伸。22日に発表した2015年3月期業績予想 と配当予想の上方修正を好感した。半面、ヤマトホールディングス 9064.T が軟調。同社 は22日、カタログなどを送るクロネコメール便を3月末で廃止すると発表した。収益へ の影響を懸念した売りが先行した。
東証1部の騰落数は、値上がり1247銘柄に対し、値下がりが458銘柄、変わら ずが157銘柄だった。
(長田善行)