[東京 13日 ロイター] - 日銀が13日発表した8月の企業物価指数(CGPI)速報によると、国内企業物価指数は前年比9.0%上昇した。春先の燃料高の影響が時間差を伴って電力価格の値上がりにつながった。上げ幅は前月から横ばいだったものの、高い伸びが続いている。
上昇は18カ月連続。指数の115.1は統計開始の1960年1月以降で最高水準となっている。
類別では電力・都市ガス・水道が前年比33.4%、鉄鋼が同26.1%、石油・石炭製品が同15.6%、化学製品が同10.4%、飲食料品が5.6%それぞれ上昇した。
全515品目中、前年比で上昇したのは431品目、下落は68品目。
日銀の担当者によると、8月は過去の燃料費上昇が電力に反映されたほか、さまざまな原材料・部品価格の上昇がタイムラグを伴って転嫁される動きがサプライチェーンの「川中」や「川下」の類別で広くみられたという。
同時に発表された輸入物価指数は円ベースで前年比プラス42.5%。伸び率は前月の49.1%から縮小したものの、18カ月連続プラスとなった。
国内企業物価指数は前月比プラス0.2%だった。最も押し上げに寄与したのは、電力・都市ガス・水道。事業用電力は3─5月を参照期間とする燃料費調整単価の上昇を受けて値上がりした。
一方、スクラップ類や石油・石炭製品など市況が比較的早く反映される類別は、国際的な値下がりを反映して下押しに影響した。
企業物価指数は5月から2020年基準に移行している。
*日銀の発表資料は以下のURLでご覧になれます。
http://www.boj.or.jp/statistics/pi/cgpi_release
(杉山健太郎)