[上海 15日 ロイター] - 中国人民銀行(中央銀行)は15日、1年物中期貸出制度(MLF)を通じて6500億元(935億3000万ドル)を供給した。金利は4カ月連続で2.75%に据え置いた。
市場関係者24人を対象に今週実施した調査では、20人がMLFの金利据え置きを予想していた。6人は満期分を超える新たな資金供給を予想していた。
この日は5000億元のMLF融資が満期を迎えることから、差し引き1500億元の供給となった。
人民銀はまた、期間7日のリバースレポを通じて20億元を供給。金利は2.00%で変わらずだった。
オーストラリア・アンド・ニュージーランド銀行(ANZ)の中国担当シニアストラテジスト、Xing Zhaopeng氏は、高水準の資金供給は、商業銀行の長期負債コストを軽減し、最近の資金需要の増加に対応するためだと説明。「富裕層向け商品の解約圧力と譲渡性預金(NCD)の金利上昇は、流動性が逼迫(ひっぱく)していることを示している」と述べた。
銀行間借入の短期コストの指標となる1年物「AAA」格付けNCDの金利は今月に入り27ベーシスポイント(bp)上昇して2.78%となり、1年物MLF金利を上回った。
市場関係者やアナリストは、新型コロナウイルス対策の緩和で債券からよりリスクの高い資産への資金シフトが進んだことが金利上昇の背景にあると指摘する。
旧正月に向け現金需要が高まるため、十分な流動性を維持するために人民銀が資金供給を行ったとの指摘もある。