[ペシャワール/ラホール(パキスタン) 4日 ロイター] - パキスタン主要都市の営業施設は4日、節エネを目的とする政府の閉店時間繰り上げ指示を拒否した。政府は3日、全てのショッピングモールとレストランに午後8時半までに閉店するよう指示したが、拒否によりエネルギー輸入削減計画は打撃を受けた形。
主要都市のラホール、カラチ、ペシャワールに駐在するロイターの記者は、大型商業施設などのほとんどが指示された閉店時間後も営業しているのを確認している。
ペシャワールの商工会議所の会頭はロイターに、「われわれは指示を全面的に拒否する」と述べ、既にセキュリティーの問題やエネルギー不足に直面している企業は指示の順守に抵抗するだろうと話した。
ラホールの玩具店経営者は、「親子連れが来店する午後8時以降が営業の本番で、(閉店繰り上げ)指示で私も私の商売も殺されてしまう」と語った。
パキスタンの主要都市では、買い物客が夜に出歩くため商店は伝統的に夜遅くまで営業しており、ほとんどが午後11時まで開いている。
同国経済は昨年8月の歴史的な洪水被害の余波やエネルギー価格高騰、インフレ対策としての中銀による利上げで既に圧迫されており、企業は新たな節エネ政策が一段の景気鈍化につながると懸念している。
中央銀行は、2023会計年度の成長率予想を2%とそれまでの半分に下方修正した。
11億ドルの国際通貨基金(IMF)融資が依然未承認の中、国はデフォルト(債務不履行)への懸念払しょくに苦慮している。