[東京 23日 ロイター] - 神田真人財務官は23日、都内で行われたパネルディスカッションで国内総生産(GDP)は経済を把握する指標として不十分で、2008年のリーマンショック前にも高成長の陰にある金融リスクを把握できなかったと指摘した。
神田財務官はGDPの拡大・経済成長があった方が「富の分配につながる」とする一方、「GDPは経済のパフォーマンスの半分もとらえていない」と指摘。具体例として「GDPに依拠した政策運営は短期的で中長期を犠牲にする可能性がある」と述べ、「2008年の金融危機の直前には各国が高い経済成長を享受していたが、リスクが金融問題にあることを見落としていた」と強調した。
統計で経済を把握するための今後の課題として、デジタル経済の進展に伴う知財やサービスの評価・計測や、各国間の比較が可能となるGDP基準の国際的平準化の重要性も指摘した。
(竹本能文)