Bansari Mayur Kamdar
[2日 ロイター] - 人工知能(AI)関連株に連動する上場投資信託(ETF)は、足元で資金流入に急ブレーキがかかっている。米国の高金利長期化が企業価値に打撃を与えるのではないかとの投資家の懸念が背景にある。
こうしたETFのうち「グローバルXロボティクス&AI」は8月に資金が大きく流出。9月も差し引きで180万ドルの流入にとどまった。「ROBOグローバル・ロボティクス&オートメーション・インデックス」は9月に1430万ドルが流出した。
リッパーのデータによると、6月は「グローバルXロボティクス&AI」に2億6550万ドル、「ROBOグローバル・ロボティクス&オートメーション・インデックス」に2974万ドルがそれぞれ流入し、いずれも流入規模は月間ベースで過去最高を記録していた。
CFRAリサーチのETFデータ分析責任者アニケト・ウラル氏は、AI関連ETF全体に資金が活発に流れ込んだきっかけは、対話型AI「チャットGPT-4」の登場がきっかけで、今年1-9月に19億ドル余りが流入したと述べた。
ところが最近数週間は、米長期金利が約16年ぶりの高水準に跳ね上がって投資家のリスク許容度が低下したため、AI関連株は株式市場全般と歩調を合わせてさえない地合いになっている。
ウラル氏は「9月に入って資金流入が鈍った。より高い金利がより長く続き、ハイテク企業のキャッシュフローに悪影響を及ぼす期間が延びるとみなされているためだ」と説明した。
バンダ・リサーチによると、個人投資家のAIに対する熱狂も弱まり、9月の個人投資家からのAI関連株への差し引きの資金流入額は4月以来の低さとなった。
それでも「グローバルXロボティクス&AI」の年初来リターンはなお21%と、エヌビディア株が年初から200%を超える値上がりをしているおかげでなお高い。
投資家のAIセクターに対する長期的な楽観見通しも変わっていない。UBSグローバル・ウエルス・マネジメントのマーク・ハーフェレ氏は、AIセクターの有力銘柄は最近軟調で、これは押し目買いのチャンスになっているとの見方を示した。