■会社概要
(1)事業内容
北の達人コーポレーション (T:2930)は、インターネットにて一般消費者向けに健康食品や化粧品を販売するeコマース事業を展開している。
北海道を拠点としたオリジナルブランド「北の快適工房」のサイトでの、便秘やアトピー、ニキビなど、体の悩みのサポートに特化した商品の開発及び販売を主力とし、特にオリゴ糖を原料とする「カイテキオリゴ」が同社の成長をけん引してきた。
最近では、保湿ケア商品「みんなの肌潤糖」シリーズや、台湾及び香港など外国人からの評判も高い洗顔料「二十年ほいっぷ」が新たな収益柱として同社の成長スピードを高めている。
北海道産のてん菜などを主原料として複数種のオリゴ糖を配合した高純度・高品質の(便秘に効く)健康食品である「カイテキオリゴ」のほか、北海道産のてん菜から作られた砂糖を主原料とした保湿ケア商品である「みんなの肌潤糖」シリーズ、直火釜練り製法という独自製法を用い、保湿成分であるホエイを原料に加えたくすみ用の洗顔料である「二十年ほいっぷ」など、14種類の商品を取り扱っている。
商品別の売上高構成比率では、「カイテキオリゴ」が47.6%、「みんなの肌潤糖」シリーズが29.6%、「二十年ほいっぷ」が13.4%となっており、上位3商品群で90.7%を占めている(2016年2月期実績)。
以前は「カイテキオリゴ」への依存度の高さが課題となっていたが、この数年はその状況が徐々に解消される傾向にある。
グループ会社には、2013年6月に設立した(株)オーダーコスメジャパンがあるが、重要性に乏しいことから連結対象とはなっていない。
また、商品の製造については、OEM先に対する製造委託が中心であるため生産拠点は有していない。
2015年8月末にはアジア現地市場での通販強化のための拠点として台湾支社を設立した。
(2) 沿革 同社は、2002年5月に現代表取締役社長の木下勝寿(きのしたかつひさ)氏によって(株)北海道・シーオー・ジェイピーとして設立された(2009年3月に現在の(株)北の達人コーポレーションに商号変更)。
ただ、創業の経緯としては2000年5月にまで遡り、リクルート出身の木下氏がEC 市場の拡大を視野に入れ、ECサイト「北海道・しーおー・じぇいぴー」を立ち上げ、北海道特産食品のインターネット販売を開始したところからスタートする。
最初の転機は、競合するECサイトが増加するなかで差別化を図るため、2007年7月に健康美容商品の販売総合サイト「カイテキフレンドクラブ(現:北の快適工房)」を開設するとともに、同年9月にはアウトレット(規格外品)の食品販売に特化したWebサイト「北海道わけあり市場」を開設したことである。
特に、当時としては珍しかった「北海道わけあり市場」は、多くのマスコミやTV番組で取り上げられ、大きな注目を集めた。
しかしながら、こちらも比較的模倣されやすい事業であったことから、注目されるほど一気に競合が厳しくなった。
そこで2つ目の転機となったのが、他社が簡単には模倣できない圧倒的な品質や機能で勝負することを決断したことである。
「北海道・しーおー・じぇいぴー」及び「北海道わけあり市場」の運営を譲渡するとともに、自社ブランド「北の快適工房」による健康美容商品の開発及び販売に軸足を移した。
そのような経緯の中から「カイテキオリゴ」がヒット商品となり、順調に定期会員基盤の拡大を図りながら同社の成長をけん引してきた。
2012年5月に札幌証券取引所アンビシャス市場に上場すると、翌年3月には同本則市場に市場変更。
さらには2014年11月に東京証券取引所市場第2部へ重複上場を果たすと、2015年11月24日には同市場第1部銘柄へ指定替えとなり、4年連続での新規上場及び市場変更等を達成した。
2013年6月には、利用者に応じたオーダーメード化粧品を取り扱う100%子会社のオーダーコスメジャパンを設立。
また、2015年8月末には台湾支社を設立し、新たな成長ステージに向けて事業基盤が整ってきた。
なお、同社の収益性や成長性などが評価されたことから、米国の経済誌フォーブスアジア版(2014年8月号)において、アジア太平洋地域で売上高10億ドル以下の企業を対象とした優良企業200社に贈られるAsia’s 200 Best Under A Billion賞を受賞している。
また、東洋経済ONLINEで2015年3月に発表された「新・企業力ランキング トップ200」においても、銀行、証券、保険、その他金融を除く上場企業3,334社中、総合78位、業種別(食料品)では1位という評価となった。
2015年9月には、国際的な起業家表彰制度である「EY アントレプレナー・オブ・ザ・イヤー」※において、北海道ブロック代表に同社代表取締役社長の木下氏が選出された。
※新たな事業領域に挑戦する起業家の努力と功績を称える国際的な表彰制度。
日本では2001 年よりEY アントレプレナー・オブ・ザ・イヤー ジャパンとしてスタートし、全国から選ばれた起業家を毎年紹介している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)
北海道を拠点としたオリジナルブランド「北の快適工房」のサイトでの、便秘やアトピー、ニキビなど、体の悩みのサポートに特化した商品の開発及び販売を主力とし、特にオリゴ糖を原料とする「カイテキオリゴ」が同社の成長をけん引してきた。
最近では、保湿ケア商品「みんなの肌潤糖」シリーズや、台湾及び香港など外国人からの評判も高い洗顔料「二十年ほいっぷ」が新たな収益柱として同社の成長スピードを高めている。
北海道産のてん菜などを主原料として複数種のオリゴ糖を配合した高純度・高品質の(便秘に効く)健康食品である「カイテキオリゴ」のほか、北海道産のてん菜から作られた砂糖を主原料とした保湿ケア商品である「みんなの肌潤糖」シリーズ、直火釜練り製法という独自製法を用い、保湿成分であるホエイを原料に加えたくすみ用の洗顔料である「二十年ほいっぷ」など、14種類の商品を取り扱っている。
商品別の売上高構成比率では、「カイテキオリゴ」が47.6%、「みんなの肌潤糖」シリーズが29.6%、「二十年ほいっぷ」が13.4%となっており、上位3商品群で90.7%を占めている(2016年2月期実績)。
以前は「カイテキオリゴ」への依存度の高さが課題となっていたが、この数年はその状況が徐々に解消される傾向にある。
グループ会社には、2013年6月に設立した(株)オーダーコスメジャパンがあるが、重要性に乏しいことから連結対象とはなっていない。
また、商品の製造については、OEM先に対する製造委託が中心であるため生産拠点は有していない。
2015年8月末にはアジア現地市場での通販強化のための拠点として台湾支社を設立した。
(2) 沿革 同社は、2002年5月に現代表取締役社長の木下勝寿(きのしたかつひさ)氏によって(株)北海道・シーオー・ジェイピーとして設立された(2009年3月に現在の(株)北の達人コーポレーションに商号変更)。
ただ、創業の経緯としては2000年5月にまで遡り、リクルート出身の木下氏がEC 市場の拡大を視野に入れ、ECサイト「北海道・しーおー・じぇいぴー」を立ち上げ、北海道特産食品のインターネット販売を開始したところからスタートする。
最初の転機は、競合するECサイトが増加するなかで差別化を図るため、2007年7月に健康美容商品の販売総合サイト「カイテキフレンドクラブ(現:北の快適工房)」を開設するとともに、同年9月にはアウトレット(規格外品)の食品販売に特化したWebサイト「北海道わけあり市場」を開設したことである。
特に、当時としては珍しかった「北海道わけあり市場」は、多くのマスコミやTV番組で取り上げられ、大きな注目を集めた。
しかしながら、こちらも比較的模倣されやすい事業であったことから、注目されるほど一気に競合が厳しくなった。
そこで2つ目の転機となったのが、他社が簡単には模倣できない圧倒的な品質や機能で勝負することを決断したことである。
「北海道・しーおー・じぇいぴー」及び「北海道わけあり市場」の運営を譲渡するとともに、自社ブランド「北の快適工房」による健康美容商品の開発及び販売に軸足を移した。
そのような経緯の中から「カイテキオリゴ」がヒット商品となり、順調に定期会員基盤の拡大を図りながら同社の成長をけん引してきた。
2012年5月に札幌証券取引所アンビシャス市場に上場すると、翌年3月には同本則市場に市場変更。
さらには2014年11月に東京証券取引所市場第2部へ重複上場を果たすと、2015年11月24日には同市場第1部銘柄へ指定替えとなり、4年連続での新規上場及び市場変更等を達成した。
2013年6月には、利用者に応じたオーダーメード化粧品を取り扱う100%子会社のオーダーコスメジャパンを設立。
また、2015年8月末には台湾支社を設立し、新たな成長ステージに向けて事業基盤が整ってきた。
なお、同社の収益性や成長性などが評価されたことから、米国の経済誌フォーブスアジア版(2014年8月号)において、アジア太平洋地域で売上高10億ドル以下の企業を対象とした優良企業200社に贈られるAsia’s 200 Best Under A Billion賞を受賞している。
また、東洋経済ONLINEで2015年3月に発表された「新・企業力ランキング トップ200」においても、銀行、証券、保険、その他金融を除く上場企業3,334社中、総合78位、業種別(食料品)では1位という評価となった。
2015年9月には、国際的な起業家表彰制度である「EY アントレプレナー・オブ・ザ・イヤー」※において、北海道ブロック代表に同社代表取締役社長の木下氏が選出された。
※新たな事業領域に挑戦する起業家の努力と功績を称える国際的な表彰制度。
日本では2001 年よりEY アントレプレナー・オブ・ザ・イヤー ジャパンとしてスタートし、全国から選ばれた起業家を毎年紹介している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)