[ダブリン 3日 ロイター] - 総選挙を5日後に控えたアイルランドで、シン・フェイン党が支持率で首位に立っている。かつてロンドンなどで爆破攻撃を繰り返したアイルランド共和国軍(IRA)の政治部門である同党が2月8日の選挙で躍進する可能性がでてきた。
アイリッシュ・タイムズ/イプソスMRBIが3日公表した調査によると、シン・フェイン党の支持率は25%、中道右派の野党、共和党(フィアナ・フォイル)は23%で、与党の統一アイルランド党(フィナ・ゲール)は20%となった。
統一アイルランド党と共和党はともに、IRAとのつながりや経済政策の違いを挙げてシン・フェイン党との連携を拒否している。
シン・フェイン党は、アイルランドと英領北アイルランドの統一を標榜し、統一の是非を問う国民投票を5年以内に実施したいと考えている。国民投票の準備の即時開始を確約しない政権には参画しない姿勢を示している。
世論調査では政府、バラッカー首相、共和党のマイケル・マーティン党首がいずれも支持を落とす一方、シン・フェイン党のメアリー・ルー・マクドナルド党首の支持率は7ポイント上がって41%となった。
とはいえ、シン・フェイン党が第一党になることはなさそうだ。同党の立候補者は42人と、統一アイルランド党や共和党の半数程度。160議席の議会で最大勢力となるためには、ほぼ全員が当選する必要があるが、比例代表制という制度もあって、それはいかなる政党でも難しいとアナリストは指摘している。