[モスクワ/パリ 9日 ロイター] - ロシア製の新型コロナウイルスワクチン「スプートニクV」について、スイスに本拠を置く製薬会社がロシア直接投資基金(RDIF)と合意したことを受け、イタリアで製造が6月に開始されることが明らかになった。イタリア当局の承認が得られれば、欧州で初の製造となる。
イタリア・ロシア商工会議所は8日に発表した声明で、欧州で初のスプートニクV製造施設の設置に道が開けたとし、年末までに1000万回分の製造が可能になるとの見方を示した。
スプートニクVは欧州連合(EU)加盟国のうち、ハンガリー、スロバキア、チェコの3カ国で承認済み、または承認に向けた審査中の段階にある。
EU高官によると、少なくとも加盟国中4カ国から要請があれば、EUとしてワクチン購入の可能性を巡る交渉を開始できるという。
イタリアのドラギ首相の報道官によると、首相はEUに対し、欧州医薬品庁(EMA)が承認済みのワクチン確保に向けてあらゆる選択肢を行使するよう促しているものの、スプートニクVの承認に向け特別な圧力はかけていないとした。
RDIFのドミトリエフ総裁は9日、スプートニクVの生産施設を巡り、イタリアに加え、フランス、ドイツ、スペインと合意したと表明。これについて、フランスの担当省の報道官は、国内のいかなる企業もスプートニクVの生産でロシア側と契約を結んでいないと述べた。
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