- 米欧貿易摩擦問題
欧州連合(EU)は、米国が欧州車に関税をかけるなら、3000億ドルの新たな報復関税を課すと発表している。先週、米国への貿易黒字をEUに対して批判し、自動車の輸入関税を引き上げると発表していたドナルド・トランプ大統領は、商務省の調査結果を踏まえ、発動の有無を判断するとした。
- ダウ先物は100ポイントを超える下落
米国と主要貿易相手国間の貿易摩擦の進展への懸念のため、日本時間の午後6時30分ごろにはS&P500先物市場は155ポイント(0.6%)下落した。ナスダック100先物は50ポイントの下落、すなわち約0.7%もの下落だ。
欧州市場は、貿易摩擦のリスクが最も高い自動車メーカーが影響を受けることから、下落圧力を受けている。また、ドイツのメルケル首相の連立政権に対する懸念が強まったことから、ドイツDAX指数も落ち込んだ。
中国市場はアジア地域の主要な株式市場と同様に大きく下落した。 上海総合株価指数は2.5%安だ。
- ドルインデックスと債券市場
6つの主要通貨に対する米ドルの強さをあらわすドルインデックスは、94.50で0.3%高かった。米国経済の相対的な強さと、今年の連邦準備理事会による追加金利引き上げの見通しにより、ドルの需要は引き続き支えられている。米ドルは110.80でほとんど変わらず、夜には111.06で6週間ぶりの高値を付けた。
債券市場では、 米10年国債利回りは2.83%程度に若干低下した。
今日の経済指標の発表では、ISMの6月の製造業景況指数と5月の建設支出(いずれも午後11時)が予定されている。
一方、ドイツの内務大臣が、移民政策をめぐる論争が激化する中で辞任表明し、メルケル首相率いる連立政権への懸念が高まったことから、ユーロは圧力を受けた。
- トランプ大統領のツイート後の原油価格
ドナルド・トランプ米大統領が、石油市場への供給を増やすというサウジアラビアとの合意を発表したことにより、石油先物市場下落した。
サウジアラビアのサルマン国王は、イランとベネズエラの供給量の減少との相殺のため、原油生産量を200万バレルに増やすという要求に合意したとトランプ大統領は発表した。
米ニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)の先物相場は37セント(0.5%)安の73.78ドル。
- 世界の製造業のPMIが勢いを失う
トランプ政権の「アメリカファースト」の保護主義政策が世界経済に悪影響を与える可能性があると懸念される中で、欧州と中国の低調な製造活動の状況はさらに市場へリスクオフの雰囲気を醸成した。
ユーロ圏のPMIは6月に18ヶ月ぶりに低下し、6か月連続で低下した。貿易摩擦による経済活動への影響についての懸念が広がっていることから、新規受注の伸びは2年ぶりに低下した。
英国のPMIは先月より若干よくなったとはいえ、世界貿易への不安とブレグジットがより株価に影響を与えている。