月曜日の金融市場で知る必要がある上位5つの事柄は次のとおりだ。
1 米中貿易摩擦
ドナルド・トランプ米大統領の政策に対し、中国の国営メディアが異常なくらい直接的に非難をしたことで、世界の2大経済大国による本格的な貿易戦争に向かって、その勢いが増しているのではないかとの懸念が高まった。
共産党系の人民日報は、今日の編集でトランプを選んだが、彼は自分の“ストリートファイタースタイルの恐喝と脅迫の欺瞞的なドラマ”で主演しており、他の人が一緒に演じるという彼の期待は、単に「希望的な考え方」であると報じた。
中国によって厳格に管理されたこの新聞は、貿易戦争が激化しているため、米国とトランプ政権を頻繁に非難してきたが、今まではトランプ大統領個人をターゲットに絞ることを控えていた。
このコメントは、金曜日の中国が600億ドル相当の米国製品に対する報復関税を発表した後のものであり、2000億ドル相当の中国からの輸入品に対する25%への税率アップを検討中というトランプ政権に対しての動きである。
2 世界市場は週初に下げる
新たな貿易摩擦を背景に、世界の株式市場は落ち着いた形で始まった。
経済成長に影響を及ぼす世界の2大経済大国間の緊張がさらに高まる見通しに対して、投資家は市場での利益を維持できるのかと、貿易戦争への懸念を急激に深めている。
中国本土の株価は午後に急激に下落した。上海総合指数は1.3%、深セン総合指数は2.1%のマイナスとなった。
このネガティブな心理はヨーロッパ市場に持ち越された。ヨーロッパでは、大半の地域の主要取引所が午前中に取引が減少し、ほぼすべてのセクターがマイナスとなった。
ドイツ製造業新規受注の予想外の下落によりドイツの DAXは、0.7%も下落した。
米国の株式先物市場は、主要な指数は僅かながら下落していたが、午後7時30分現在では前日比で上昇している。
3 四半期決算に注目
約40の S&P 500の企業が今週に第2四半期決算を報告する予定だ。
Tyson Foods(ニューヨーク証券取引所: TSN)、Newell Brands、Cardinal Health(NYSE: CAH)、SeaWorldが市場が開くのに先立って発表する。
市場終了後、Weight Watchers、 Etsy、Turtle Beach、Twilio、Hertz Global、 Marriot、Zillowが公表予定だ。今週予定されているのはDisney、Viacom、 News Corp (NASDAQ:NWSA)、 Snap、 DropBox、 Roku、 Canada Goose、 Office Depot、 CVS Health (NYSE:CVS)、 Papa John's、 and Match Group (NASDAQ:MTCH)など。今週が四半期決算の最後の波となる。
4 雇用統計の後、ドルは高い
米雇用統計が金曜日に発表されたが、米連邦準備理事会(FRB)による今年の段階的な利上げを覆す内容ではなかったことから、ドルは高くなっている。 ドルインデックスは、0.1%高の95.15となり、7月19日につけた今年最高値95.44に近づいている。
債券市場では、価格が高値をつけ、利回りはわずかに低下し、10年債利回りは2.95%に下落し、2年債は2.65%に下がった。
経済指標の発表は今日はあまりなく、重要な発表はない。ただし、木曜日の生産者物価指数と金曜日の消費者物価指数には注目である。
5 イランに対する米国の制裁
ホワイトハウスは、欧州連合(EU)の反対にもかかわらず、2015年の歴史的な核合意を覆し、イランに対する米国の制裁内容を今朝(米国時間)発表する予定だ。
第1の制裁措置は、イランの米ドル買い、金と貴金属の取引、金属、石炭、産業関連ソフトウェアとの取引に影響を及ぼすように設定されている。イラン産原油に関する米国の制裁は11月に予定されている。
トランプ米大統領が、イランとの2015年の合意から離脱した後、7日から制裁は復活する。イランと取引を続ける第三国の企業に対しても制裁を科す方針だ。
ブレント原油先物は31セント高の73.52ドル。WTI原油先物は28セント高の1バレル= 68.77ドル。