■クリエイト・レストランツ・ホールディングス (TYO:3387)の決算概要
2. 2022年2月期決算の概要
2022年2月期の業績(IFRS基準)は、売上収益が前期比5.2%増の78,324百万円、営業利益が7,633百万円(前期は14,181百万円の損失)、税引前利益が7,134百万円(同15,021百万円の損失)、親会社の所有者に帰属する当期利益は5,919百万円(同13,874百万円の損失)と増収及び大幅な黒字化を実現した。
コロナ禍が継続するなかで、筋肉質なコスト構造への転換や協力金等による下支えが大幅な黒字化に寄与する格好となった。
一方、修正予想(10/14公表)に対しては、2022年1月に入ってからのオミクロン株の感染拡大などにより、売上収益、利益ともに下振れたものの、重視する調整後EBITDA※はほぼ計画どおりの水準を確保することができた。
※営業利益+その他の営業費用−その他の営業収益(協賛金収入、雇用調整助成金、協力金及び賃料減免分等を除く)+減価償却費+非経常的費用項目(株式取得に関するアドバイザリー費用等)
売上収益は、コロナ禍が継続するなか、相次ぐ緊急事態宣言の発出等に伴う時短営業・休業、酒類提供制限等により、居酒屋業態を中心とする「SFPカテゴリー」が低調に推移したものの、郊外SCが好調であった「CRカテゴリー」や「海外カテゴリー」の回復、「専門ブランドカテゴリー」の日常ブランド(ベーカリーやそば・つけめん業態等)の貢献によりカバーし、増収を確保することができた。
月次の実質既存店売上高※の推移を見ると、相次ぐ緊急事態宣言の発出やまん延防止等重点措置により、2021年3月~9月が35%~50%水準で低調に推移した。
4度目の緊急事態宣言が解除された10月からは一旦回復に向かい、11月~12月は75%水準にまで戻ってきたものの、2022年1月に入ってからのオミクロン株の感染拡大(及びまん延防止等重点措置等)が、回復基調に水を差す格好となった。
その結果、自治体からの時短営業・休業の要請がなかった期間は期を通じて約3ヶ月間(延べ)のみとなっており、苦しい事業環境が続いたことが窺える。
なお、期が明けた2022年3月は56.9%と回復傾向にあり、特に4月10日時点では74.5%にまで戻ってきたようだ。
※実質既存店売上高は2020年2月期(コロナ禍前)との比較(以下、同様)。
新規出店については、新規投資を抑える方針の下、新規13店舗を出店する一方、不採算店舗及び契約満了により53店舗退店し、2022年2月期末の総店舗数は1,037店舗に減少した。
また、立地環境や顧客ニーズに合わせ、12店舗の業態変更を行っている。
損益面については、徹底した固定費削減により筋肉質なコスト構造への転換が完了したことに加え、協力金等による下支えもあり、前期の赤字からV字回復を達成することができた。
調整後EBITDAの状況を見ても、すべてのカテゴリーで改善し、プラスを確保している。
なお、修正予想(10/14公表)に対して下振れたのは、2022年1月に入ってからのオミクロン株の感染拡大などにより売上収益が下振れたことに加え、減損損失の追加計上(27億円)や1月、2月分の協力金等の計上(22億円)が翌期にずれ込んだことが理由である。
財政状態については、借入金の返済に伴う現預金の減少や、退店及び減損の影響により総資産は前期末比17.5%減の133,605百万円に縮小した。
一方、親会社所有者に帰属する持分は大幅な黒字転換に伴う内部留保の積み増しに加え、公募増資の実施(162億円の調達)等により同39.5%増の23,788百万円に大きく増加し、親会社所有者帰属持分比率※1も17.8%(前期末は10.5%)に改善することができた。
また、有利子負債の削減によりネットD/Eレシオ※2は2.65倍(前期末は4.79倍)に低下している。
※1 IFRS16号の影響を除いた調整後親会社所有者帰属持分比率では28.0%(前期末は16.6%)に改善した。
※2 IFRS16号の影響を除いたネット調整後D/Eレシオでは0.79倍(前期末は1.76倍)に改善した。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
2. 2022年2月期決算の概要
2022年2月期の業績(IFRS基準)は、売上収益が前期比5.2%増の78,324百万円、営業利益が7,633百万円(前期は14,181百万円の損失)、税引前利益が7,134百万円(同15,021百万円の損失)、親会社の所有者に帰属する当期利益は5,919百万円(同13,874百万円の損失)と増収及び大幅な黒字化を実現した。
コロナ禍が継続するなかで、筋肉質なコスト構造への転換や協力金等による下支えが大幅な黒字化に寄与する格好となった。
一方、修正予想(10/14公表)に対しては、2022年1月に入ってからのオミクロン株の感染拡大などにより、売上収益、利益ともに下振れたものの、重視する調整後EBITDA※はほぼ計画どおりの水準を確保することができた。
※営業利益+その他の営業費用−その他の営業収益(協賛金収入、雇用調整助成金、協力金及び賃料減免分等を除く)+減価償却費+非経常的費用項目(株式取得に関するアドバイザリー費用等)
売上収益は、コロナ禍が継続するなか、相次ぐ緊急事態宣言の発出等に伴う時短営業・休業、酒類提供制限等により、居酒屋業態を中心とする「SFPカテゴリー」が低調に推移したものの、郊外SCが好調であった「CRカテゴリー」や「海外カテゴリー」の回復、「専門ブランドカテゴリー」の日常ブランド(ベーカリーやそば・つけめん業態等)の貢献によりカバーし、増収を確保することができた。
月次の実質既存店売上高※の推移を見ると、相次ぐ緊急事態宣言の発出やまん延防止等重点措置により、2021年3月~9月が35%~50%水準で低調に推移した。
4度目の緊急事態宣言が解除された10月からは一旦回復に向かい、11月~12月は75%水準にまで戻ってきたものの、2022年1月に入ってからのオミクロン株の感染拡大(及びまん延防止等重点措置等)が、回復基調に水を差す格好となった。
その結果、自治体からの時短営業・休業の要請がなかった期間は期を通じて約3ヶ月間(延べ)のみとなっており、苦しい事業環境が続いたことが窺える。
なお、期が明けた2022年3月は56.9%と回復傾向にあり、特に4月10日時点では74.5%にまで戻ってきたようだ。
※実質既存店売上高は2020年2月期(コロナ禍前)との比較(以下、同様)。
新規出店については、新規投資を抑える方針の下、新規13店舗を出店する一方、不採算店舗及び契約満了により53店舗退店し、2022年2月期末の総店舗数は1,037店舗に減少した。
また、立地環境や顧客ニーズに合わせ、12店舗の業態変更を行っている。
損益面については、徹底した固定費削減により筋肉質なコスト構造への転換が完了したことに加え、協力金等による下支えもあり、前期の赤字からV字回復を達成することができた。
調整後EBITDAの状況を見ても、すべてのカテゴリーで改善し、プラスを確保している。
なお、修正予想(10/14公表)に対して下振れたのは、2022年1月に入ってからのオミクロン株の感染拡大などにより売上収益が下振れたことに加え、減損損失の追加計上(27億円)や1月、2月分の協力金等の計上(22億円)が翌期にずれ込んだことが理由である。
財政状態については、借入金の返済に伴う現預金の減少や、退店及び減損の影響により総資産は前期末比17.5%減の133,605百万円に縮小した。
一方、親会社所有者に帰属する持分は大幅な黒字転換に伴う内部留保の積み増しに加え、公募増資の実施(162億円の調達)等により同39.5%増の23,788百万円に大きく増加し、親会社所有者帰属持分比率※1も17.8%(前期末は10.5%)に改善することができた。
また、有利子負債の削減によりネットD/Eレシオ※2は2.65倍(前期末は4.79倍)に低下している。
※1 IFRS16号の影響を除いた調整後親会社所有者帰属持分比率では28.0%(前期末は16.6%)に改善した。
※2 IFRS16号の影響を除いたネット調整後D/Eレシオでは0.79倍(前期末は1.76倍)に改善した。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)