[エルトフィレ・アム・ライン(ドイツ) 10日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーのナーゲル独連邦銀行(中銀)総裁は10日、ECBは7月に利上げを行い、高インフレの定着に歯止めをかけるべきとの見解を示した。
ユーロ圏インフレ率の上昇を受け、ECB内ではすでに、シュナーベル専務理事ら複数の当局者が7月の利上げ実施の可能性について言及している。
ナーゲル総裁はまた、ECBは6月末に資産購入を終了し、その次の会合で預金金利を引き上げるべきと指摘。「今後の経済指標と新たな見通しが6月の理事会時点でこの見方を裏付けるなら、私は7月に金利の正常化に向けた最初のステップを提唱するだろう」と述べた。
一方、債務国の借り入れコスト上昇に対する懸念は否定。金利上昇を受け、イタリアなど債務国と安全資産とされる独国債との金利差を抑制する手段を設けるべきとの指摘もある中、「(国債スプレッドは)将来的には注目すべき指標のひとつになるだろうが、現時点では特別な手段でこれに対処すべきかは確信が持てない」と述べた。
その上で「対応が後手に回ることのリスクは顕著に増大している。インフレ圧力が広がれば広がるほど、大幅かつ突然の利上げの必要性が高まる」とした。