[ウィーン 23日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)は、オーストリアの銀行大手ライファイゼン・バンク・インターナショナル(RBI)に対し、ロシアでの高収益事業から撤退するよう圧力をかけている。事情に詳しい5人がロイターに語った。
米国の対外経済制裁当局トップが先月にウィーンを訪問した際、ライファイゼンのロシア事業に懸念を示したことがきっかけという。
ライファイゼンはロシアの金融システムに深く入り込んでおり、同国で今なお事業を続けている数少ない欧州系銀行の一つ。ロシアへのユーロ送金の約4分の1を担っている。
関係者によると、ECBはライファイゼンに即時撤退を要請していないが、事業解消への行動計画を求めている。計画にはロシアにある傘下銀行の売却または閉鎖が含まれる可能性があるという。
ECBの広報担当者は、ECBが銀行に対し、ロシア事業を注視し続け、できる限り縮小あるいは閉鎖するよう要請してきたと説明した。
だが関係者によると、ライファイゼンはまだ事業解消に向けた計画を提示するつもりはないという。オーストリア政府内には、同行への圧力を外国からの不当な干渉と見なす向きもある。
ライファイゼンの広報担当者は、ロシア事業について「慎重に管理された撤退」を含む選択肢を検討中で、その評価に迅速に取り組んでいると説明。ロシアでの融資も減らしたと述べた。