ラクオリア創薬 (T:4579)は8日、2018年12月期連結決算を発表した。
売上高(事業収益)は前期比47.5%減の7.44億円、営業損失は10.75億円(前年同期は1.50億円の損失)、経常損失は10.64億円(同0.80億円の損失)、親会社株主に帰属する当期純損失は11.04億円(同0.58億円の損失)となり、2018年12月27日公表の修正予想に沿った内容となった。
米国における「GALLIPRANT(R)」及び「ENTYCE(R)」のペット用医薬品2品の販売ロイヤルティ収入が安定的な収益基盤として貢献したことに加え、新規ライセンス契約先からの契約一時金収入や各種プログラムにまつわるマイルストン達成に伴う一時金収入も重なり、収益に寄与した。
一方、5-HT2B拮抗薬の英国における第1相臨床試験費用を計上したことにより研究開発費が一時的に増加した。
また、当初見込んでいた複数のマイルストン収入が翌期以降にずれ込み、期初の業績予想を下回る着地となった。
2019年12月期通期の連結業績予想については、売上高が前期比2.7倍の20.22億円、営業利益が1.87億円、経常利益が1.95億円、親会社株主に帰属する当期純利益が1.53億円で、創業以来初の黒字転換を見込んでいる。
同時に公表した2019~2021年12月期 新中期経営計画「Gaia2021」によると、3ヵ年の業績目標は、2020年12月期の事業収益は21億円、営業利益は2.15億円、経常利益は2.32億円、当期純利益は1.53億円。
2021年12月期の目標は、事業収益は22億円、営業利益は2.95億円、経常利益は3.03億円、当期純利益は2.14億円。
黒字転換は従来の計画通り2019年としている。
2019年12月期には、胃食道逆流症治療薬「tegoprazan:韓国商品名『K-CAB(R)』」の韓国販売開始を予定しているほか、イヌの変形性関節症に伴う痛みに用いられる「GALLIPRANT(R)」の欧州発売、Meiji Seikaファルマが日本で開発を進める統合失調症治療薬「ジプラシドン」の承認申請を見込んでいるもようで、これら導出済みプログラムにかかわるマイルストン収入及びロイヤルティ収入を織り込んだとフィスコでは予想する。
ベンチャー企業として起業から一貫して創薬研究活動に重点を置いてきた同社が、黒字転換期に入ることで、事業の安定とともに新たな成長ステージに移行することが期待される。