[5日 ロイター] - <為替> 円が下落。米中通商交渉が進展の兆しを見せるなど、世界的な緊張が一部和らいだことを受けて市場心理が改善し、安全資産とされる通貨への需要が後退した。
ポンドも上昇し、対ドルで約1カ月ぶりの高値を更新。英国が「合意なき」欧州連合(EU)離脱を回避するとの期待がポンド買いを誘った。
米中両国はこの日、閣僚級の通商交渉を10月初旬にワシントンで開催することで合意した。[nL3N25W0LW]ニュースを受け、米中が貿易摩擦解消を目指すとの期待が高まった。
終盤の取引で、ドル/円は0.53%高の106.975円。一時は7月終盤以来の高値となる107.235円を付ける場面もあった。
円は対ユーロ (EURJPY=EBS)でも0.5%下落し、118.015円。一時118.6円と、3週間ぶりの安値を付けた。
逃避需要の後退に伴い、主要6通貨に対するドル指数 (DXY)は0.04%安。しかし、朝方発表された一連の指標が好調な内容だったことで、下げは限定的だった。
<債券> 米中が10月に通商協議を再開させることで合意したことを受け「リスクオン」ムードが広がり、国債利回りが上昇した。市場では6日の米雇用統計のほか、米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長の講演が注目されている。
国債利回りは短期債から長期債にわたり約10ベーシスポイント(bp)上昇。10年債 (US10YT=RR)利回りは10.5bp上昇の1.564%、2年債 (US2YT=RR)利回りは10.6bp上昇の1.540%となった。
この日に発表された米経済指標では、企業向け給与計算サービスのオートマチック・データ・プロセッシング(ADP)とムーディーズ・アナリティクスの8月の全米雇用報告は、民間部門雇用者数が19万5000人増と、ロイターがまとめたエコノミスト予想の14万9000人増を上回った。[nL3N25W30M]
市場は労働省が6日に発表する8月の雇用統計のほか、パウエルFRB議長がチューリヒで行う講演に注目。シリコンバレー銀のソラネス氏は、「FRBは雇用と物価に関する二重の責務の達成に向け慎重に立ち位置を見極めようとしている。必要に応じて利下げを実施する余地はあるが、通商問題に関しては外部要因であるため必ずしも重きを置いていない可能性がある」と述べた。
<株式> 主要株価3指数がそろって1%超上昇して取引を終えた。米中両国が来月、閣僚級の通商交渉を開催することで合意したことを受け[nL3N25W0LW]、通商面での緊張が緩和するとの期待が高まった。堅調な経済指標も国内経済の鈍化懸念の後退につながった。
インバーネス・カウンセルの首席投資ストラテジストのティム・グリスキー氏は「協議が実際に行われるかどうかはまだ分からず、協議が生産的な結果に至るかどうかも疑わしい。しかし市場は好感している」と述べた。
情報技術株 (SPLRCT)は2.1%高、金融株 (SPSY)は1.9%高で、S&P総合500の上昇を主導。金利動向に敏感な銀行株も米債利回りの上昇に追随し、2.5%高となった。
一方、公益株 (SPLRCU)や不動産株などのディフェンシブ銘柄は軒並み下落した。
市場では6日に発表される8月米雇用統計に注目が集まっている。
<金先物> 米中貿易摩擦激化に対する過度の警戒感が後退する中、急反落した。中心限月12月物の清算値は前日比34.90ドル(2.24%)安の1オンス=1525.50ドル。
米中貿易協議の進展期待が広がり、投資家のリスク回避姿勢が後退。安全資産として買われてきた金塊は売り込まれた。
<米原油先物> 米原油在庫の減少や米中貿易協議の進展期待などを背景に買いが先行したものの、あと利益確定の売りに押され、ほぼ横ばいとなった。米国産標準油種WTIの中心限月10月物の清算値は前日比0.04ドル(0.07%)高の1バレル=56.30ドル。11月物は0.06ドル高の56.16ドルとなった。
ドル/円 NY終値 106.92/106.93
始値 106.63
高値 107.22
安値 106.63
ユーロ/ドル NY終値 1.1033/1.1037
始値 1.1054 (EUR=)
高値 1.1084
安値 1.1033
米東部時間
30年債(指標銘柄) 17時05分 104*12.00 2.0536% (US30YT=RR)
前営業日終値 106*20.00 1.9570%
10年債(指標銘柄) 17時05分 100*17.50 1.5653% (US10YT=RR)
前営業日終値 101*17.00 1.4590%
5年債(指標銘柄) 17時05分 99*03.75 1.4342% (US5YT=RR)
前営業日終値 99*22.25 1.3130%
2年債(指標銘柄) 17時05分 99*29.88 1.5341% (US2YT=RR)
前営業日終値 100*04.13 1.4340%
終値 前日比 %
ダウ工業株30種 26728.15 +372.68 +1.41 (DJI)
前営業日終値 26355.47
ナスダック総合 8116.83 +139.95 +1.75 (IXIC)
前営業日終値 7976.88
S&P総合500種 2976.00 +38.22 +1.30 (SPX)
前営業日終値 2937.78
COMEX金 12月限 1525.5 ‐34.9
前営業日終値 1560.4
COMEX銀 12月限 1880.7 ‐74.0
前営業日終値 1954.7
北海ブレント 11月限 60.95 +0.25 (LCOc1)
前営業日終値 60.70
米WTI先物 10月限 56.30 +0.04 (CLc1)
前営業日終値 56.26
CRB商品指数 172.3489 ‐0.3462 (TRCCRB)
前営業日終値 172.6951 OLJPBUS Reuters Japan Online Report Business News 20190905T234020+0000