[17日 ロイター] - <為替> ドルがユーロと英ポンドに対し下落。英国と欧州連合(EU)が離脱協定案を修正することで合意し、EU加盟国の首脳が承認したことを受けた。[nL3N2723IG]
新合意案が19日の英議会で可決されるかは不透明感が残るものの、合意発表を受け、ユーロは対ドル (EUR=)で0.46%、対ポンド (EURGBP=)で0.12%上昇した。
ポンドは合意のニュースを受け、一時5カ月ぶり高値を更新。ただ、議会承認が得られない可能性が懸念され上げ幅を削った。終盤のポンドは0.34%高の1.2874ドル。
主要通貨に対するドル指数 (DXY)は今週、約0.7%下落している。
この日発表の指標では、9月の住宅着工件数(季節調整済み)が年率換算で前月比9.4%減少し、前月の12年ぶり高水準から落ち込んだ。[nL3N27238E]また、9月の鉱工業生産指数は製造業部門が0.5%低下した。[nL3N2723RT]
ノルウェークローネは対ユーロ (EURNOK=D3)で10.1800クローネの過去最安値を更新。一部のアナリストは、世界の貿易を巡る警戒感からクローネが最近弱含んでいると指摘する。[nL3N2721UH]
豪ドルは対ドルで1.02%高。9月の豪雇用統計は堅調で、11月の利下げの可能性が低下した。[nL3N2720LS]
<債券> 債券価格が序盤の下げから切り返した。英国の無秩序なEU離脱(ブレグジット)回避に向けた英・EU間の合意を英議会が承認しないかもしれないとの懸念が高まった。[nL3N2723IG]
取引序盤には合意が英議会を通過するとの楽観が広がり、株価が上昇したほか、安全資産である米債への買いが手控えられ、利回りが上昇。ただ合意承認を巡る懸念が高まると米債利回りは上昇幅を縮めた。
指標10年債利回り (US10YT=RR)はほぼ変わらずの1.743%で推移。取引序盤には一時1.799%と9月19日以来の高水準を付けた。
米中が通商合意に達する可能性も注視されている。中国商務省は17日、米国の通商交渉について、可能な限り早期に段階的な合意に達し、双方の製品に対する関税の撤回を進展させたいと表明。[nL3N27227R]
米指標がさえない中、追加利下げに関する連邦準備理事会(FRB)政策当局者の見方は分かれているものの、10月29─30日の米連邦公開市場委員会(FOMC)での追加利下げが見込まれている。
<株式> 好調な企業決算を受け市場心理が好転し、主要3指数はそれぞれ小幅に上昇して終了した。地政学的要因も貢献した。
英国とEUは17日、ブレグジット協定案を修正することで合意した。離脱が決まった英国民投票から3年余りを経て、今月末の離脱期日を前にぎりぎりの合意にたどり着いたが、ジョンソン英首相には議会承認というハードルがなお残っている。[nL3N2723IG]
米中通商摩擦を巡っては、中国商務省が同日、米国との通商交渉で可能な限り早期に段階的な合意に達し、双方の製品に対する関税の撤回を進展させたいと表明。ムニューシン米財務長官は前日、第1段階の合意について、両国首脳が来月署名できるよう、双方の交渉団が文書化に取り組んでいると明らかにした。[nL3N27227R]
このほか、ペンス米副大統領は17日、トルコがシリア北部で展開する軍事作戦を5日間停止することで合意したと発表。[nL3N2724DA] 専門家は「トルコ停戦が好意的に受け止められた」とし、トランプ大統領にとって良いニュースは市場にも良いニュースだと指摘した
この日発表された金融大手モルガン・スタンレー (N:MS)の第3・四半期決算は、債券トレーディング業務とM&A(合併・買収)アドバイザリー業務が好調だったことで利益が予想を上回った。株価は1.5%高で引けた。[nL3N2723HM]
動画配信サービス大手ネットフリックス (O:NFLX)は前日引け後に発表した決算を受け2.5%高。有料契約者数がアナリスト予想平均を上回った。[nL3N2714DV]
複合企業ハネウェル・インターナショナルは第3・四半期決算が売上高が予想に届かず、通年の売上高見通しの上限を下方修正。ただ、地政学的要因の改善で株価は2.4%上昇した。[nL3N2723KE]
<金先物> 対ユーロでのドル安などを受けて買われ、続伸した。中心限月12月物の清算値は前日比4.30ドル(0.29%)高の1オンス=1498.30ドル。 英国のEU離脱を巡る修正合意を受けて、投資家のリスク回避姿勢が和らぐ中、外国為替市場ではドル安・ユーロ高が進行。ドル建てで取引される金塊などの商品に割安感が広がり、金買いを後押しした。相場は午前中に一時1501.10ドルまで 上昇した。
米指標がさえず、米景気の先行き懸念が強まったことも、「安全資産」としての金需要を支えた。米中貿易協議の行方を巡る根強い懸念やシリア情勢を巡る地政学的リスクへの警戒感も相場を支えた。
<米原油先物> 米原油在庫の大幅増加を嫌気した売りが先行したものの、あとプラス圏に切り返し、続伸した。米国産標準油種WTIの中心限月11月物の清算値は前日比0.57ドル(1.07%)高の1バレル=53.93ドル。12月物は0.58ドル高の54.03ドルだった。
米石油協会(API)が16日夕方に発表した週報によると、11日までの1週間の国内原油在庫は1050万バレル増加し、市場予想(ロイター調査)の290万バレル増を大きく上回る積み増しとなった。これを受けて、需給の緩みに対する警戒感が広がり、相場はマイナス圏に転落。17日朝にかけては、53ドル挟みのレンジで軟調に推移した。
続いて、米エネルギー情報局(EIA)が17日午前に発表した同期間の統計でも、原油在庫は930万バレル増と、市場予想の3倍超の積み増しを記録。米国は9月、イラン産原油を輸送したとして、中国海運最大手・中国遠洋運輸集団(COSCO)子会社などを制裁対象に加えており、その影響で在庫が拡大したとの見方がある。また、精製所の稼働率低下も在庫拡大の一因とみられている。ただ、EIA週報では、ガソリンとディスティレート(留出油)がそろって予想よりも大幅な在庫取り崩しを示したほか、英国とEUが離脱案の見直しを巡る交渉で合意したとの報が投資意欲を支え、徐々に買い戻しが優勢となった。
ドル/円 NY終値 108.65/108.68
始値 108.79
高値 108.80
安値 108.48
ユーロ/ドル NY終値 1.1122/1.1126
始値 1.1111 (EUR=)
高値 1.1132
安値 1.1103
米東部時間
30年債(指標銘柄) 17時05分 100*12.00 2.2326% (US30YT=RR)
前営業日終値 100*12.50 2.2320%
10年債(指標銘柄) 17時05分 98*28.00 1.7500% (US10YT=RR)
前営業日終値 98*29.50 1.7450%
5年債(指標銘柄) 17時05分 99*20.75 1.5740% (US5YT=RR)
前営業日終値 99*22.00 1.5660%
2年債(指標銘柄) 17時05分 99*26.00 1.5979% (US2YT=RR)
前営業日終値 99*26.75 1.5850%
終値 前日比 %
ダウ工業株30種 27025.88 +23.90 +0.09 (DJI)
前営業日終値 27001.98
ナスダック総合 8156.85 +32.67 +0.40 (IXIC)
前営業日終値 8124.18
S&P総合500種 2997.95 +8.26 +0.28 (SPX)
前営業日終値 2989.69
COMEX金 12月限 1498.3 +4.3
前営業日終値 1494.0
COMEX銀 12月限 1761.2 +18.5
前営業日終値 1742.7
北海ブレント 12月限 59.91 +0.49 (LCOc1)
前営業日終値 59.42
米WTI先物 11月限 53.93 +0.57 (CLc1)
前営業日終値 53.36
CRB商品指数 175.5320 +0.5567 (TRCCRB)
前営業日終値 174.9753 OLJPBUS Reuters Japan Online Report Business News 20191017T222735+0000