[29日 ロイター] - <為替> 終盤のニューヨーク外為市場ではドルが対ユーロで下落した。米連邦準備理事会(FRB)による利下げが見込まれていることが重しとなった。一方、英国では12月の総選挙実施の可能性が高まる中、ポンドが下落した。
投資家はFRBが30日までの2日間の日程で開いている今回の米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果を注視。FRBが追加利下げに消極的であることが示されればドルは上昇する可能性がある。
TDセキュリティーズのFX戦略北米責任者マーク・マコーミック氏は「タカ派的な反応を予想しており、ドル高に向かうだろう」と指摘。「市場はFRBが今後数カ月に経済をてこ入れすると予想しているため、FRBが利下げ停止を少し示せば、ドルはユーロやポンドに対して強含むだろう」と述べた。
ポンドは不安定な動きの中で下落。英議会下院は29日、早期総選挙実施を巡る法案を暫定的に承認した。
前日には欧州連合(EU)が、英国のEU離脱期限を来年1月31日まで延期することで合意した。
<債券> 米金融・債券市場では国債利回りが低下。しかし、米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果を控え、大きな動きは限られた。
市場ではこの日から2日間の日程で始まったFOMCで今年3回目となる利下げが実施されるとの見方が大勢。CMEのフェドウオッチによると、市場に織り込まれた利下げ確率は97.3%。1カ月前は49.2%だった。
レイモンド・ジェームズの市場ストラテジスト、エリス・ファイファー氏は「嵐の前の静けさだ。市場は米連邦準備理事会(FRB)が利下げすると確信している」とし、利下げが実施されなければ市場に動揺が走る可能性があるとの見方を示した。
終盤の取引で、指標10年債利回り (US10YT=RR)は1.5ベーシスポイント(bp)低下し1.839%。2年債利回り (US2YT=RR)も0.7bp低下の1.644%。
FOMCでは、債券市場の流動性について討議されることも予想されている。米短期金融市場で銀行や企業が資金調達する際に支払う翌日物レポ金利が上昇したことを受け、FRBは9月中旬からレポ取引を通じた資金供給を実施している。
<株式> 米国株式市場は下落。前日に最高値を更新したS&P総合500種指数 (SPX)は小幅安となった。米中通商協議の行方をにらみながら、強弱まちまちの企業決算内容を消化する展開となった。
この日から2日間の日程で始まった米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果も注目される。市場では今年3回目となる利下げが実施されるとの見方が大勢。
米政府当局者がロイターに対し、米中通商協議を巡る「第1段階」の合意文書署名が、リマで来月開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)に間に合わない可能性があると明らかにしたことを受け、相場は下げに転じた。
米中通商交渉の進展に敏感なS&P情報技術 (SPLRCT)は0.92%下落した。
製薬大手メルク (N:MRK)とファイザー (N:PFE)は好決算を追い風にそれぞれ3.5%、2.5%上昇した。
<金先物> ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場は、米連邦準備理事会(FRB)による金融政策決定の行方などに注目が集まる中、 小幅続落した。
相場は29日未明にかけ、横ばい圏で推移。しかし、外国為替市場でドル買い・ユーロ売りが進行し、ドル建て商品に割高感が生じたことなどをきっかけにマイナス圏に沈み、その後はもみ合う展開となった。
米中両国は10月中旬の貿易協議で取りまとめた「第1段階」の合意文書への早期署名を目指しているが、有力視されていた11月のアジア太平洋経済協力会議(APEC)の場では署名が実現しない可能性があるとロイターが報道。一方、欧州連合(EU)は今月末に迫った英国のEU離脱期限を来年1月末まで3カ月延ばすことを正式に承認し、安全資産とされる金塊にとってはやや逆風となった。ただ、翌30日午後に連邦公開市場委員会(FOMC)声明の公表を控え、総じて売り買いともに限定的。午後に入ってもレンジ内での取引が続いた。
<米原油先物> ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、石油輸出国機構(OPEC)加盟・非加盟国による協調減産拡大への期待がしぼみ、続落した。
タス通信によると、ロシア・エネルギー省は28日、OPEC加盟・非加盟国で構成されるOPECプラスの12月会合で産油方針について協議する際、米国の産油量の伸び鈍化を考慮する意向であると明らかにした。また、ソロキン・エネルギー副大臣は一段の減産拡大を協議するのは時期尚早だと発言。協調減産拡大に対する期待が後退した。
ドル/円 NY終値 108.87/108.90
始値 108.93
高値 108.98
安値 108.78
ユーロ/ドル NY終値 1.1110/1.1114
始値 1.1088 (EUR=)
高値 1.1118
安値 1.1079
米東部時間
30年債(指標銘柄) 17時05分 98*09.00 2.3303% (US30YT=RR)
前営業日終値 97*28.50 2.3490%
10年債(指標銘柄) 17時05分 98*03.50 1.8367% (US10YT=RR)
前営業日終値 97*31.00 1.8530%
5年債(指標銘柄) 17時05分 99*07.75 1.6586% (US5YT=RR)
前営業日終値 99*06.00 1.6700%
2年債(指標銘柄) 17時05分 99*23.13 1.6415% (US2YT=RR)
前営業日終値 99*22.63 1.6500%
終値 前日比 %
ダウ工業株30種 27071.46 -19.26 -0.07 (DJI)
前営業日終値 27090.72
ナスダック総合 8276.85 -49.14 -0.59 (IXIC)
前営業日終値 8325.99
S&P総合500種 3036.89 -2.53 -0.08 (SPX)
前営業日終値 3039.42
COMEX金 12月限 1490.7 ‐5.1
前営業日終値 1495.8
COMEX銀 12月限 1783.1 ‐4.5
前営業日終値 1787.6
北海ブレント 12月限 61.59 +0.02 (LCOc1)
前営業日終値 61.57
米WTI先物 12月限 55.54 ‐0.27 (CLc1)
前営業日終値 55.81
CRB商品指数 178.3750 +0.0934 (TRCCRB)
前営業日終値 178.2816 OLJPBUS Reuters Japan Online Report Business News 20191029T222816+0000