[30日 ロイター] - <為替> 米連邦準備理事会(FRB)が25ベーシスポイント(bp)の利下げを決定したものの、今後は利下げ休止を示唆したことで、ドル指数が上昇した。
利下げは予想通りだったが、FRBは今回のFOMC声明から景気拡大を維持するために「適切に行動する」との文言を削除した。この文言は将来的な利下げを示すものと解釈されていた。
CIBCキャピタル・マーケッツ(トロント)の北米外為戦略部門責任者、ビパン・ライ氏は文言削除について、FRBの今後の利下げに向けた勢いが弱まる可能性があると指摘。通商協議の悪化などがない限り利下げのハードルは高くなったとの見方を示し、「短期的にドル弱気はある程度抑制される」と述べた。
商務省が朝方発表した第3・四半期の実質国内総生産(GDP)速報値(季節調整済み)は年率換算で前期比1.9%増と、市場予想の1.6%増を上回った。これを受け、ドルはやや上昇。
チリのピニェラ大統領が11月に予定していたアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議の開催を断念すると発表。APEC首脳会議では米中首脳が「第1段階」の通商合意に署名するとの見方が出ていたことで、開催断念はドルの押し下げ要因となった。
<債券> 国債利回りが低下。米連邦公開市場委員会(FOMC)は予想通り0.25%利下げを決定した。一方、今後については休止の可能性も示唆した。
シュワブ金融調査センターの主任債券ストラテジスト、キャシー・ジョーンズ氏は「FRBの経済認識は予想よりもやや強めだった」と指摘。FRBは労働市場や個人消費を含め経済のあらゆる分野が底堅いと強調しており、「今後かなりの利下げが必要という見方はコンセンサスではないと思う」と述べた。
今年8月に出現した長短金利の逆転(逆イールド)が再現する可能性について、コロンビア・スレッドニードル・インベストメンツのジーン・タヌッゾ氏は「経済指標の悪化が継続し、長期金利が低下し、かつFRBが対応しない場合はあり得る」と指摘。これに対し、前出のジョーンズ氏は、指標がそれほど悪化するとは考えにくく、逆イールドの再現は見込んでいないとした。
<株式> S&P総合500種は終値で最高値を更新した。米連邦準備理事会(FRB)は29─30日に開いた連邦公開市場委員会(FOMC)で25ベーシスポイント(bp)の利下げを決定した。
パウエルFRB議長は記者会見で「金融政策は良い状況にある」と指摘。経済見通しに大きな変更がなければ政策金利が継続的に据え置かれる可能性が高いことを示唆し、終盤の株高につながった。
チェリー・レーン・インベストメンツのパートナー、リック・メックラー氏は、FRBが引き続きデータ次第という姿勢を示したとし、「柔軟性は市場が望むものだ」と述べた。
リフィニティブによると、すでに決算を発表したS&P500構成銘柄の278社の約74.1%が利益予想を上回った。ただ、第4・四半期の利益成長見通しは下方修正されている。
<金先物> 米連邦準備理事会(FRB)の金融政策決定を控えて、買いが優勢となり、3営業日ぶりに反発した。
連邦公開市場委員会(FOMC)で3会合連続となる利下げ決定がほぼ確実視される中、金利を生まない資産である金には買いが入りやすかった。
午後に公表されたFOMC声明では、市場の予想通り0.25%の追加利下げを決定。一方、FRBが追加緩和に慎重な姿勢を強めたとの観測も広がり、金相場は清算値確定後に売り買いが交錯する展開。
<米原油先物> 米原油在庫の急増を示す週間統計の発表を嫌気し、3日続落した。
米エネルギー情報局(EIA)が午前に発表した週報によると、25日までの1週間の米国内原油在庫は570万バレル増加。増加幅は市場予想の50万バレルを大きく上回った。
一方、ガソリンは300万バレル減、ディスティレート(留出油)は100万バレル減といずれも在庫を取り崩し、それぞれ2017年11月と18年11月以来の低水準を記録。これが需給不均衡への警戒感を幾分和らげ、相場はいったん下げ渋ったものの、あと再び下げ足を速めて一時54.42ドルの安値を付けた。
米中両首脳が貿易協議の「第1段階」合意文書に署名する場として調整していた来月中旬のアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議が中止となったことも投資家心理を圧迫。
ドル/円 NY終値 108.83/108.86
始値 108.82
高値 109.28
安値 108.73
ユーロ/ドル NY終値 1.1148/1.1152
始値 1.1120 (EUR=)
高値 1.1151
安値 1.1081
米東部時間
30年債(指標銘柄) 17時05分 99*27.00 2.2572% (US30YT=RR)
前営業日終値 98*08.50 2.3310%
10年債(指標銘柄) 17時05分 98*21.00 1.7750% (US10YT=RR)
前営業日終値 98*04.00 1.8350%
5年債(指標銘柄) 17時05分 99*15.50 1.6077% (US5YT=RR)
前営業日終値 99*07.75 1.6590%
2年債(指標銘柄) 17時05分 99*25.63 1.6016% (US2YT=RR)
前営業日終値 99*23.13 1.6420%
終値 前日比 %
ダウ工業株30種 27186.69 +115.27 +0.43 (DJI)
前営業日終値 27071.42
ナスダック総合 8303.98 +27.12 +0.33 (IXIC)
前営業日終値 8276.85
S&P総合500種 3046.77 +9.88 +0.33 (SPX)
前営業日終値 3036.89
COMEX金 12月限 1496.7 +6.0
前営業日終値 1490.7
COMEX銀 12月限 1786.7 +3.6
前営業日終値 1783.1
北海ブレント 12月限 60.61 ‐0.98 (LCOc1)
前営業日終値 61.59
米WTI先物 12月限 55.06 ‐0.48 (CLc1)
前営業日終値 55.54
CRB商品指数 178.3123 ‐0.0627 (TRCCRB)
前営業日終値 178.3750 OLJPBUS Reuters Japan Online Report Business News 20191030T225033+0000