[16日 ロイター] - IHSマークイットが16日に発表した12月のユーロ圏総合購買担当者景気指数(PMI)速報値は50.6と、前月から横ばいとなり、予想中央値の50.7を下回った。サービス部門が改善したものの、外需が軟調だったことで製造業部門が圧迫された。
指数は50が景況拡大と悪化の分かれ目となる。
製造業PMI速報値は45.9と、46.9から低下。予想の47.3も下回った。50を下回るのは11カ月連続。
一方、サービス部門PMI速報値は52.4と、51.9から上昇し4カ月ぶりの高水準を付けた。予想の52.0も上回った。
オックスフォード・エコノミクスのエコノミスト、ニコラ・ノービル氏は「経済活動は全般的に安定化しつつあるが、製造業PMIが大きく低下したことで、ユーロ圏の製造業部門がまだ苦境から脱しきれていないことが改めて示された」と指摘。「新規受注など改善の暫定的な兆しは一部で見られているが、雇用創出ペースが約5年ぶりの低水準となるなど、労働市場は減速している」とし、今回の結果はユーロ圏の経済成長率が第4・四半期は0.1%にとどまるとの見通しと一致するとの見方を示した。
生産を示す指数は45.9と、47.4から低下。11カ月連続で50を下回った。
モルガン・スタンレーのエコノミストは今回の結果は「軟調ではあるが、希望が持てる」内容だったと指摘。「欧州中央銀行(ECB)が金利を現行水準に維持する中、来年は緩やかな加速が見られると予測している」とした。
IHSマークイットが発表したドイツの12月の総合PMI速報値は、前月と同じ49.4と、景況拡大と悪化の節目である50を4カ月連続で下回った。サービス部門が好調だったが、製造業の悪化で帳消しとなった。[nL4N28Q2CX]
フランスの12月の総合PMI速報値は52.0と、前月の52.1から小幅低下。3カ月ぶりの低水準だが、好不況の分かれ目となる50は上回った。[nL4N28Q2A3]
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