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NY市場サマリー(5日)

発行済 2020-03-06 07:49
更新済 2020-03-06 07:53
NY市場サマリー(5日)
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[5日 ロイター] - <為替> ドル指数が8週間ぶりの水準に低下。米連邦準備理事会(FRB)が3日に新型コロナウイルスの感染拡大による米経済への影響を和らげるために緊急利下げを決定したものの、市場で追加利下げが実施されるとの観測が出ていることが売り要因となった。

FRBは50ベーシスポイント(bp)の緊急利下げを実施したが、景気減速の深刻化や長期化を懸念する金融市場の懸念払拭にはつながっておらず、この日の国債市場では米10年債 (US10YT=RR)利回りが0.899%と過去最低水準を更新。外国為替市場ではドルが圧迫された。[nL4N2AW3Z7]

主要6通貨に対するドル指数 (=USD)は一時96.608と、1月6日以来の低水準を更新。終盤の取引では約0.8%安の96.639となっている。

短期金融市場ではFRBが今月の連邦公開市場委員会(FOMC)で25bp、4月までに50bpの追加利下げが実施されるとの観測が織り込まれている。

テンパス(ワシントン)のシニア外為トレーダー、フアン・ペレス氏は「今回の利下げは緊急的なものだった。このため、FRBは再び同様の緊急利下げを実施するのか、または追加利下げを示唆するのか、疑問が出てくるのは当然だ。FRBはいつ何時でも対応する態勢を整えているようにみえるため、ドルが売られやすい地合いになるのは理解できる」と指摘。アクション・エコノミクスの世界外為分析担当マネジング・ディレクター、ロナルド・シンプソン氏は「米株価が下落し、米国債利回りが過去最低水準を更新したことがドルの重しとなった」と述べた。

ドルは対円で1.2%下落し、6カ月ぶり安値を更新。終盤の取引では106.22円となっている。

カナダドルは対米ドルで下落。カナダ銀行(中央銀行)は前日、政策金利を0.5%ポイント引き下げ1.25%にすることを決定した。利下げは約5年ぶりで、0.5%の大幅利下げは金融危機に見舞われた2009年3月以来となる。[nL4N2AX3YP]

英ポンドは対ドルで0.7%上昇。イングランド銀行(英中央銀行)がFRBに追随して利下げに動くとの観測が後退したことが押し上げ要因となった。

英中銀のベイリー次期総裁は前日、新型ウイルスが経済に及ぼす影響を見極めるまで中銀は待つ必要があると述べたほか、カーニー総裁はこの日、英中銀は追加緩和策を決定する前に新型コロナウイルスの感染拡大が英経済に及ぼす影響の精査に努めると述べ、FRBやカナダ中銀とは異なり、措置を講じる前に影響を明確にする必要があるとの見解を示した。[nL4N2AY419]

<債券> 新型コロナウイルスへの懸念が根強い中、国債価格が値上がりした。10年債利回りは一時0.9%を割り込み過去最低を更新したほか、2年債利回りも約4年ぶりの水準に低下した。

ソシエテ・ジェネラル(ニューヨーク)の米金利戦略部長、スバドラ・ラジャパ氏は新型ウイルスへの懸念を背景に債券市場への資金流入が加速しているとした上で「新型ウイルスの動向は無視できない状況だ」と述べた。

FHNフィナンシャルのシニア金利ストラテジスト、ジム・ボーゲル氏は、自宅待機もしくは在宅勤務を導入する企業の増加に国債市場が反応していると指摘。新型ウイルスは当初、モノの供給を阻害する要因と見られていたが、今や需要の阻害要因とも目されているという見方を示した。

アマゾン・ドット・コム (O:AMZN)とフェイスブック (O:FB)、グーグルの親会社であるアルファベット (O:GOOGL)は5日、ワシントン州シアトル地域の従業員に対し、在宅勤務をするよう勧告した。同地域では新型コロナウイルス感染が拡大しており、マイクロソフト (O:MSFT)が既に在宅勤務を導入している。[nL4N2AY41H]

ロイターの調べによると、新型ウイルスの感染者数は世界中で9万6500人に達し、延べ3300人超が死亡した。

午後の取引で10年債利回り (US10YT=RR)は前日の0.992%から0.921%に低下。30年債利回り (US30YT=RR)も前日の1.636%から1.562%に低下した。2年債利回り (US2YT=RR)は0.587%。2年債と10年債の利回り格差は一時2018年10月以来の水準に拡大した。

市場では6日に発表される2月の米雇用統計に関心が集まっている。

<株式> 米国株式市場は大幅反落して取引を終えた。銀行株や旅行関連株が安い。新型コロナウイルスの感染拡大や経済への影響を巡る不透明感から市場では値動きの荒い展開が続いている。

前日には、米大統領選に向けた民主党候補指名争いでのバイデン前副大統領の躍進を受けて大幅反発していたが、この日は主要株価3指数がいずれも3%超値下がりした。

新型ウイルスは世界各地への感染拡大が続いており、これまでに3300人超が死亡。先行き不透明感から世界経済への影響が懸念されている。

米国では新たな感染がニューヨークやサンフランシスコでも確認される中、アマゾン・ドット・コム (O:AMZN)とフェイスブック (O:FB)、アルファベット (O:GOOGL)傘下グーグルが5日、ワシントン州シアトル地域の従業員に対し、在宅勤務をするよう勧告した。[nL4N2AY41H]

アボット・ダウニングのキャロル・シュレイフ最高投資責任者(CIO)代理は「この問題で(対応の)枠組みを作ったり、(解決の)モデルを作成する方法はない。何も分からないからだ」と指摘。

「経済のファンダメンタルズについて判断できないため、きょうの市場は明らかにファンダメンタルズではなく、感情で動いている」と話した。

S&P総合500種 (SPX)は2月19日に付けた終値ベースの最高値を10%超下回って引けた。前週には2008年10月以来の大幅な週間下落率を記録していた。

CFRAリサーチのチーフ投資ストラテジスト、サム・ストバル氏は「市場は底を試そうとしている。少なくとも短期的には前週末28日が底なのか、それともさらに下落するのか判断しようとしている」と語った。

金融セクターは4.9%急落。米国債利回りの低下が続き、金利動向に敏感な銀行株の重しとなった。

JPモルガン・チェース (N:JPM)は4.9%、バンク・オブ・アメリカ(バンカメ) (N:BAC)は5.1%、それぞれ値下がり。

S&Pの主要11セクターはすべてが下落。ただ、公益事業株 (SPLRCU)や主要消費財株 (SPLRCS)などディフェンシブセクターは比較的下げ幅が小さかった。

投資家の不安心理を映すシカゴ・オプション取引所(CBOE)ボラティリティー(VIX)指数 (vix)は7.62ポイント上昇して39.61を付けた。

旅行・娯楽関連株の下げがきつく、S&P航空株指数は8.2%安となった。アメリカン航空グループ (O:AAL)が13.4%急落した。

航空業界団体は、新型ウイルスの流行で旅客航空会社の今年の売上高が最大1130億ドル押し下げられる可能性があると警告した。

クルーズ船関連株も安い。ハワイからカリフォルニア州サンフランシスコに帰港する予定だったクルーズ船「グランド・プリンセス」の乗員乗客のうち、少なくとも21人に新型ウイルスの感染が疑われる症状が見られ、当局が検査のために入港を遅らせる事態となったことが背景。[nL4N2AY2AH]

同船舶を運航するカーニバル (N:CCL)は14.1%急落。ロイヤル・カリビアン・クルーズ (N:RCL)も16.3%値下がりした。

5日公表された米新規失業保険週間申請件数は減少し、新型ウイルスの感染が拡大する中でも労働市場が底堅さを保っていることを示唆した。6日発表の雇用統計が注目される。[nL4N2AY3N8]

ニューヨーク証券取引所では値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を5.90対1の比率で上回った。ナスダックでは4.76対1で値下がり銘柄数が多かった。

米取引所の合算出来高は約120億株で、直近20営業日の平均である102億株を上回った。

<金先物>  新型コロナウイルスの感染拡大を懸念したリスク回避ムードが再燃し、反発した。

中心限月4月物の清算値は前日比25.00ドル(1.52%)高の1オンス=1668.00ドル。

前日は米大統領選の民主党候補指名争いで、中道派のバイデン前副大統領が躍進したことをきっかけに投資家のリスク選好意欲が回復。しかし、新型コロナウイルスの世界的な広がりに歯止めがかからず、カリフォルニア州が非常宣言を出したほか、ニューヨーク州でも感染者数が倍増するなど米国内でも警戒感が高まりつつあり、この日は流れが反転した。

世界経済への打撃を軽減するため、今週に入り米連邦準備制度理事会(FRB)やカ ナダ銀行など複数の中央銀行が利下げを決定。世界的な低金利環境も金利を生まない資産である金塊への資金流入を後押しし、早朝から相場は一本調子で上昇した。

金塊現物相場は午後1時31分現在、24.220ドル高の1667.385ドル。

<米原油先物> 続落。石油輸出国機構(OPEC)加盟・非加盟の主要産油国による協調減産の行方に注目が集まる中、新型コロナウイルスによる感染拡大に対する懸念が再燃した。

米国産標 準油種WTIの中心限月4月物の清算値は前日比0.88ドル(1.88%)安の1バレ ル=45.90ドル。5月物は0.89ドル安の46.06ドル。

前日に急伸した米株式相場が新型コロナの影響による世界景気の鈍化懸念などを背景に一時1000ドル超下げた。投資家のリスク回避姿勢が強まる中、株式と並んでリスク資産とされる原油も売り込まれる展開となった。

OPECは5日、ウィーンの本部で総会を開き、世界全体の原油需要の約1.5%に当たる日量150万バレルの追加削減で加盟国が合意した。ただ、この決定は、非加盟ながらも共同歩調を取るロシアの参加が条件。ロシアは減産拡大には同意したものの、より小幅にとどめるよう主張しているもようだ。市場は6日に開かれるOPEC加盟・非加盟の主要産油国による「OPECプラス」会合に注目している。

ドル/円 NY終値 106.16/106.17

始値 106.88

高値 106.95

安値 105.99

ユーロ/ドル NY終値 1.1239/1.1243

始値 1.1181 (EUR=)

高値 1.1244

安値 1.1168

米東部時間

30年債(指標銘柄) 17時05分 110*26.00 1.5474% (US30YT=RR)

前営業日終値 108*19.00 1.6360%

10年債(指標銘柄) 17時05分 105*17.00 0.9168% (US10YT=RR)

前営業日終値 104*25.50 0.9920%

5年債(指標銘柄) 17時05分 102*05.25 0.6826% (US5YT=RR)

前営業日終値 101*30.00 0.7290%

2年債(指標銘柄) 17時05分 101*01.00 0.6012% (US2YT=RR)

前営業日終値 100*30.63 0.6390%

終値 前日比 %

ダウ工業株30種 26121.28 -969.58 -3.58 (DJI)

前営業日終値 27090.86

ナスダック総合 8738.60 -279.49 -3.10 (IXIC)

前営業日終値 9018.09

S&P総合500種 3023.94 -106.18 -3.39 (SPX)

前営業日終値 3130.12

COMEX金 4月限 1668.0 +25.0

前営業日終値 1643.0

COMEX銀 5月限 1739.3 +14.7

前営業日終値 1724.6

北海ブレント 5月限 49.99 ‐1.14 (LCOc1)

前営業日終値 51.13

米WTI先物 4月限 45.90 ‐0.88 (CLc1)

前営業日終値 46.78

CRB商品指数 162.3655 ‐2.3044 (TRCCRB)

前営業日終値 164.6699 OLJPBUS Reuters Japan Online Report Business News 20200305T224810+0000

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