[東京 23日 ロイター] - インターネットイニシアティブのグループ会社で暗号資産事業などを手掛けるディーカレット(東京都千代田区)は23日、前金融庁長官の遠藤俊英氏が特別顧問に就任すると発表した。デジタル通貨事業や暗号資産事業の戦略などについて、金融庁で金融行政や監督に携わってきた遠藤氏の知見を活かしたいとしている。就任日は4月1日。
遠藤氏は1982年に大蔵省(現財務省)入省。その後、金融庁に移り、検査局長、監督局長などを経て2018年に長官に就任。20年に退任した。長官在任中は、地域金融機関に対し、人口減・低金利持続といった構造問題の克服に向け、ビジネスモデル改革の必要性などを訴えた。
ディーカレットは同日、インターネットイニシアティブ、KDDI、NTT、三井住友銀行、三菱UFJ銀行、ゆうちょ銀行、綜合警備保障、三菱商事、SBIホールディングス、セコムを引受先とする第三者割当増資を実施し、総額67億円を調達すると発表した。調達した資金は、民間発行デジタル通貨の実現と企業独自のスマートコントラクト(契約の自動化)の実装を可能にする「二層構造デジタル通貨通貨プラットフォーム」などの開発強化に充てる。
中央銀行デジタル通貨(CBDC)や法定通貨を価値の裏付けとした暗号資産の発行など、デジタル通貨の実現に向けた動きが世界的に拡大している。日銀も昨年10月、CBDCの取り組み方針を公表し、実証実験の第1弾を2021年度の早い時期に開始することを目指すとしていた。
(杉山健太郎) OLJPBUS Reuters Japan Online Report Business News 20210323T054920+0000