[ソウル 14日 ロイター] - 韓国銀行(中央銀行)は14日、政策金利を1.25%から25ベーシスポイント(bp)引き上げ、1.50%とした。インフレが高進する中、次期総裁の正式就任を待たず、市場予想に反して利上げに動いた。政策金利は2019年8月以来の高水準となった。
ロイターのエコノミスト調査では25bpの利上げを予想していたのは29人中11人と少数だった。残りの18人は据え置きを予想していた。
以下は識者の見方。
<みずほ銀行(シンガポール)のエコノミスト、ビシュヌ・バラサン氏>
五分五分だった。これまで前倒しで政策措置を取ってきたと考えて、金利を据え置く可能性があるとみていたが、韓国銀行(中央銀行)は先手を打ってインフレリスクをよりしっかりと抑制したいようだ。
後手に回っている訳ではないが、どうすることもできない世界的な価格ショックでインフレは加速している。高水準の債務を考慮すると、最終的な金利水準はそれほど高くない可能性がある。問題は中銀がインフレを抑制する前にオーバーシュートさせる必要があるかどうかだ。
<キャピタル・エコノミクスのアジアエコノミスト、アレックス・ホームズ氏>
信用や住宅価格の伸びがここ数カ月で鈍化するなど金融リスクに後退の兆候がやや見られる一方、インフレは韓国銀行(中央銀行)にとって依然として大きな懸念だ。
インフレ率は今四半期にほぼ5%でピークに達し、年内を通じて目標を大きく上回る水準に高止まりするだろう。中銀の過去のコメントは、利上げが終わっていないことを示唆している。
当社の予想では、5月と7月に予定される会合で25ベーシスポイント(bp)ずつ利上げが行われ、政策金利は2%に上昇する見通し。現時点ではこれが金利のピークと予想しているが、追加利上げのリスクがある。
<シンヨン証券のエコノミスト、チョ・ヨング氏>
きょうの利上げは中銀の当初計画にはなかったと思うが、予想を大幅に上回る3月のインフレ指標、ニュージーランドやカナダの50ベーシスポイント(bp)利上げ、米でも近く見込まれる50bp利上げを考慮して決定を前倒しした可能性がある。楽観視できないウクライナ危機もインフレ圧力を強めそうだ。
総裁不在などを背景に予想は割れていたが、きょうの利上げはおかしいものでもなく、必要だった。第3・四半期までにさらに2回の利上げがあり、政策金利は2%に達すると私は見込んでいる。