[オタワ 1日 ロイター] - カナダ銀行(BOC、中央銀行)は1日、政策金利である翌日物金利の誘導目標を50ベーシスポイント(bp)引き上げ、1.5%にすると発表した。50bpの幅での利上げは2回連続で、予想通りだった。インフレを目標水準に戻すために「必要に応じて一段と力強く」対応する用意があると表明した。
中銀は、需要超過が明らかに存在する中、物価は短期的に一段と上昇すると予想されるため、金利はさらに上昇する必要があると指摘。「インフレ高進が定着するリスクが高まっている。インフレを目標水準に戻し、インフレ期待を十分に抑制するために、中銀は金融政策手段を利用していく」とした。
その上で「2%のインフレ目標を達成するために、必要に応じて一段と力強い措置を取る用意がある」と表明した。
カナダの4月の消費者物価指数(CPI)前年比上昇率は6.8%と、3月の6.7%から加速。1991年1月に付けた6.9%に迫る伸びとなった。このところのガソリン価格の上昇で、5月は一段と上向く可能性がある。
カナダの第1・四半期の国内総生産(GDP)は年率換算で前期比3.1%増。伸び率はアナリスト予想の5.4%を下回ったものの、中銀予想の3.0%とほぼ一致した。
中銀は「求人件数は高水準にとどまり、企業は広範な人手不足を報告している。幅広いセクターで賃金の伸びは上向いている」とし、消費支出と輸出に支えられ、第2・四半期も堅調な経済成長を見込んでいるとした。
2回連続の50bpの幅での利上げは2000年11月以来、初めて。マックレム中銀総裁はこれまで、インフレ抑制に75bpの利上げも排除しない姿勢を表明。必要に応じて一定期間、政策金利を中立金利と見なす2─3%を超える水準に引き上げる構えも示している。