[13日 ロイター] - 13日に発表された8月の米消費者物価指数(CPI)の伸びが予想ほど鈍化しなかったことを受け、金利先物市場では来週の連邦公開市場委員会(FOMC)で3回目の0.75%ポイントの利上げが実施されるとの観測が強まった。1%ポイント利上げの確率も20%程度織り込まれた。
8月のCPIは前年同月比8.3%上昇と、伸びは7月の8.5%から縮小したものの、家賃や食品、ヘルスケア関連の価格の上昇を背景に、市場予想の8.1%は上回った。[nL4N30K2OW]
CPIを受け、フェデラルファンド(FF)金利が織り込む0.75%ポイント利上げの確率は81%、1%ポイント利上げの確率は19%となった。
ラザード・アセット・マネジメントのマネジングディレクター、ロン・テンプル氏は「上昇する住居費の制御がインフレ抑制の要となる」とし、「米連邦準備理事会(FRB)にはまだかなりの仕事が残されている」と述べた。
来週20━21日の会合で0.75%ポイントの利上げが実施されれば、FF金利は3─3.25%のレンジに達し、大半のFRB当局者が成長を鈍化させ失業率を悪化させるとみなす水準を超える。
利上げ観測の高まりに伴い、年末時点のFF金利は4─4.25%のレンジに達するという見方が織り込まれた。
パイパー・サンドラーのエコノミスト、ロベルト・ペルリ氏は「CPIは予想よりも悪い内容だった。FRBがタカ派姿勢を維持する決意を固めたことは確かだ」と指摘。FRBが利上げの一時停止を検討するには、インフレの緩和が数カ月継続する必要があり、「現時点でその状況には程遠い」と述べた。
ノムラのアナリストは、FRBが20─21日のFOMCで1.00%ポイントの利上げを決定する可能性が高いとの見通しを示した。
ゴールドマン・サックスのエコノミストは、レストランや医療など賃金に敏感なセクターで特に強いインフレが示されたと指摘。今年の利上げ見通しを引き上げ、FRBが来週0.75%ポイント、11月および12月にそれぞれ0.50%ポイントずつの利上げを決定すると見込んだ。