[東京 3日 ロイター] - 内閣府は3日に公表した「日本経済2022-2023」で、足下の物価上昇の広がりが1980年前後の第2次石油危機時に近付きつつあるとした上で、低所得世帯を中心に消費を下押ししつつあることに注意が必要だと警鐘を鳴らした。
内閣府は同報告書を年1回刊行。今回は物価上昇下の家計や企業活動について詳述し、2022年に消費者物価が上昇した主な要因は輸入物価上昇を背景とするコストプッシュ型で、国内需給のタイト化や賃金上昇による内性的なものにはなっていないと指摘した。
1%の円安進行が1年後に企業物価で約0.2%、消費者物価で約0.06%影響を与えたと試算。2000年から19年までの期間と、2000年から22年までの期間で比較すると、企業物価、消費者物価とも円安による影響が拡大したと説明している。
また、価格上昇が幅広い品目に及んでいることを図で示し、「広がりは第2次石油危機に近付いている」とした。
その上で、低所得層で実質消費支出が減少傾向にあり、消費者マインドは高所得層、低所得層いずれも2022年を通じ低下傾向にあったと指摘。「消費者マインドの悪化はラグを伴って消費支出を下押しする傾向があり、今後の消費動向に留意が必要」としている。