[10日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)のウォラー理事は10日の講演で、暗号資産(仮想通貨)の購入者は投資した全額を失う可能性があると警告した。また、金融機関は犯罪や金融システムに対するリスクに備える必要があるとした。
ウォラー理事はこれまでのところ、暗号資産によるより広い金融システムへの副次的影響は「最小限」だとした上で、規制当局が暗号資産業界の問題に関連する金融安定リスク軽減に確実を期すことが非常に重要だと指摘した。
また、暗号資産の取り扱いを検討している銀行は、顧客情報の把握およびマネーロンダリング防止要件を満たす必要があり、暗号資産が破綻した場合に備えて顧客のビジネスモデルやリスクマネジメントシステムを確実に監視する必要があるとした。
暗号通貨を扱うトレーダーに対しては、さらに厳しく警告。「暗号資産は本質的な価値を持たない資産であり、リスクが高い。ある時点で価格がゼロになったとしても、驚かないように。公的資金で補償されると思わないように」とした。
中銀デジタル通貨の創設については、賛成しないとの考えを繰り返した。ただ、議会から指示があった場合に備え、技術的な研究は進めているとした。