［上海／シンガポール ２０日 ロイター］ - 中国人民銀行（中央銀行）は２０日、銀行貸出金利の指標となる最優遇貸出金利（ローンプライムレート、ＬＰＲ）を市場の予想通り据え置いた。一連の指標が経済安定化を示唆しているほか、人民元安が追加金融緩和を思いとどまらせている。
１年物ＬＰＲは３．４５％、５年物は４．２０％でそれぞれ据え置いた。
ロイターによるアナリスト・トレーダー調査では２９人のうちほぼ全員が１年物の据え置きを予想。５年物は全員が据え置きとの見方だった。
ＴＤセキュリティーズの新興国市場アナリストはリサーチノートで「経済活動は安定しており、当局は今後さらなる金融緩和を実施するまでしばらく待つ余裕がある」と述べた。
市場参加者は今後数カ月間における利下げの可能性を排除していない。
バークレイズのエコノミストは、デフレリスクがくすぶり、内需環境が引き続き低迷する中、第４・四半期と来年第１・四半期に政策金利が１０ベーシスポイント（ｂｐ）引き下げられると予想している。
中国の新規・既存融資は主に１年物ＬＰＲに基づいており、５年物ＬＰＲは住宅ローン金利に影響する。
今年に入ってから、１年物と５年物のＬＰＲはそれぞれ２０ｂｐと１０ｂｐ引き下げられた。