Shinichi Uchida
[東京 1日 ロイター] - 鈴木俊一財務相は1日の参院決算委員会で、最近の円安進行について「内外の経済状況やインフレ動向などを踏まえれば、投機的な動きもみられると認識している。ファンダメンタルズに沿っていない部分もあるのではないか」と述べた。その上で「為替市場の動向を高い緊張感を持って注視するとともに、行き過ぎた動きに対してはあらゆる手段を排除せずに適切な対応を取っていきたい」と語った。
山下雄平委員(自民)の質問に答えた。
日銀のマイナス金利解除後に円安が急速に進んだのは政府の想定内だったかとの質問に対し、鈴木財務相は「想定内か、想定外かも含めて具体的に述べることは市場に不測の影響を及ぼしかねないことからコメントは控える」と答えた。「為替相場はファンダメンタルズを反映して安定的に推移することが重要で、過度の変動は望ましくない」とした。
鈴木財務相は為替相場に関し「マイナス金利解除も含めた金融政策にかかる要因のほか、国際収支、物価動向、地政学的リスク、市場参加者のセンチメントや投機的な動きなど様々な要因によって決定される。特定の要因だけを切り出して一概に申し上げるのは難しい」と話した。
山下委員は、神田真人財務官が昨年「過度な変動」について、一つの方向に一方的な動きが積み重なって一定期間に非常に大きな動きがあった場合は過度な変動に当たり得るとの発言をしたが、岸田文雄首相に同様の考えかと質問した。首相は「同じ認識を持っている」と答えた。