[シドニー 2日 ロイター] - オーストラリア準備銀行(中央銀行)が3月の理事会で利上げを検討しなかったことが2日公表の議事要旨で分かった。ただ、将来の動きを排除できるほどインフレ鈍化を確信するにはなお時間が必要とみている。
議事要旨によると、中銀は3月18─19日の理事会で、政策金利を4.35%に据え置くことが適切と決定した。議事要旨では利上げを支持する議論への言及はなかった。
経済が減速し、労働市場が緩やかに和らぎ、インフレ率が2─3%の目標に向けて鈍化する中、経済指標はおおむね予想通りで、経済見通しに大きな変化をもたらしていないと指摘。
メンバーは今回の会合でキャッシュレート目標を据え置くことが、インフレ目標への緩やかな回帰と完全雇用への回帰を支援するという理事会の戦略を達成する最善の方法だと合意したという。
理事会は経済にかなりの不確実性があるものの、リスクはおおむね均衡していると指摘。経済における需要は依然として供給を上回っているとみられるが、その差は「比較的急速に」縮まっているとした。
理事会は政策見通しについて「将来のキャッシュレート目標の変更を選択肢に入れることも排除することも困難とするのが適切」との見方で一致した。
理事会メンバーは、インフレ率が合理的な時間軸で目標の2─3%に戻ると十分確信できるようになるにはしばらく時間がかかるとし、利下げを急がない姿勢を示唆した。
中銀はインフレ率が2025年終盤に目標レンジに戻り、26年に中間値(2.5%)まで鈍化すると予想している。
議事要旨によると、当局者は賃金上昇がピークに達した可能性が高いとみているが、急速な鈍化は見込んでいない。