■中期経営計画「NewKANRO 2021」
1. 目指すところと損益目標
2016年8月に中期経営計画「NewKANRO 2021」を発表、キャンディNo.1企業として、品質、ブランド力、売上げ・利益でNo.1となり、社員満足度、株主満足度・社会的責任においてトップクラスになるという目標を打ち出している。
積極的な設備投資を計画しており、グミ製造ラインの新設、新製法設備、品質向上のための設備、情報システムなどに5年間で約60億円の投下を予定している。
これらにより、カンロ (T:2216)は2021年12月期に売上高260億円、経常利益26億円の目標を掲げている。
これらが達成すれば、経常利益率は10%になる計算となっている。
2. 売上拡大戦略
売上拡大戦略では、販売量の大幅アップを目標にしている。
現在の中期経営計画においては、グミを成長エンジンと捉え設備投資を行う一方で、飴では、主力品育成と新製品の開発の二本立てで行う。
同社が開示している売上拡大イメージにおいては、飴は工場のフル稼働に加え、高付加価値で商品を展開していくようだ。
飴の売上拡大における付加価値については、体に良いなどの高付加価値機能性の追求、「金のミルクキャンディ」シリーズに代表されるような、まったく新しい美味しさの展開を目指す。
チョコレート菓子のように、いかに違う切り口を展開し、消費者の間口を広げることができるかが課題となろう。
スナック菓子と比べて寡占化が進んでいないため、差別化は可能と見ている。
シェア1位を目標としている。
グミについては製造ラインを新設し、2021年に2016年比2倍の売上げを狙う。
同社はグミの成長の確実性は高いと見ており、積極的に展開していく方針である。
具体的には、「ピュレグミ」や「カンデミーナグミ」などの既存ブランドの育成のほかに、新グミを開発する。
豊洲研究所を2015年設立しており、これを基軸に商品開発に注力する。
飴より幅広い材料や工程に工夫できる余地があると考えているようだ。
ピュレジュレのフレーバーの充実などが期待される。
3. 経営基盤の強化
経営基盤の強化においては、施策として、ムダの排除、売上原価の低減、人事制度の充実、情報システム環境の整備、品質保証体制の充実、CSR活動の推進を掲げている。
4. 海外展開の可能性
同社がほとんど輸出していないことや、海外市場に進出していないことには驚かされる。
同社は、前中期経営計画において一旦、海外事業を取り下げているが、あきらめたわけではないようだ。
国内市場でのNo.1の地位ももちろん重要だが、人口増加の著しい海外、特にアジア市場の攻略なしには、売上高260億円達成後の姿を描きにくい。
同社も海外展開を拡大していきたいという意識はあるが、進行中の中期経営計画には数字を入れていないとのこと。
同社は、国内市場でNo.1になってから海外に行きたいということ、また、品質の問題を先に解決しておきたいという意向だ。
早い段階で、同社より海外市場への展開戦略を聞けることを期待したい。
(執筆:フィスコアナリスト 清水 さくら)
1. 目指すところと損益目標
2016年8月に中期経営計画「NewKANRO 2021」を発表、キャンディNo.1企業として、品質、ブランド力、売上げ・利益でNo.1となり、社員満足度、株主満足度・社会的責任においてトップクラスになるという目標を打ち出している。
積極的な設備投資を計画しており、グミ製造ラインの新設、新製法設備、品質向上のための設備、情報システムなどに5年間で約60億円の投下を予定している。
これらにより、カンロ (T:2216)は2021年12月期に売上高260億円、経常利益26億円の目標を掲げている。
これらが達成すれば、経常利益率は10%になる計算となっている。
2. 売上拡大戦略
売上拡大戦略では、販売量の大幅アップを目標にしている。
現在の中期経営計画においては、グミを成長エンジンと捉え設備投資を行う一方で、飴では、主力品育成と新製品の開発の二本立てで行う。
同社が開示している売上拡大イメージにおいては、飴は工場のフル稼働に加え、高付加価値で商品を展開していくようだ。
飴の売上拡大における付加価値については、体に良いなどの高付加価値機能性の追求、「金のミルクキャンディ」シリーズに代表されるような、まったく新しい美味しさの展開を目指す。
チョコレート菓子のように、いかに違う切り口を展開し、消費者の間口を広げることができるかが課題となろう。
スナック菓子と比べて寡占化が進んでいないため、差別化は可能と見ている。
シェア1位を目標としている。
グミについては製造ラインを新設し、2021年に2016年比2倍の売上げを狙う。
同社はグミの成長の確実性は高いと見ており、積極的に展開していく方針である。
具体的には、「ピュレグミ」や「カンデミーナグミ」などの既存ブランドの育成のほかに、新グミを開発する。
豊洲研究所を2015年設立しており、これを基軸に商品開発に注力する。
飴より幅広い材料や工程に工夫できる余地があると考えているようだ。
ピュレジュレのフレーバーの充実などが期待される。
3. 経営基盤の強化
経営基盤の強化においては、施策として、ムダの排除、売上原価の低減、人事制度の充実、情報システム環境の整備、品質保証体制の充実、CSR活動の推進を掲げている。
4. 海外展開の可能性
同社がほとんど輸出していないことや、海外市場に進出していないことには驚かされる。
同社は、前中期経営計画において一旦、海外事業を取り下げているが、あきらめたわけではないようだ。
国内市場でのNo.1の地位ももちろん重要だが、人口増加の著しい海外、特にアジア市場の攻略なしには、売上高260億円達成後の姿を描きにくい。
同社も海外展開を拡大していきたいという意識はあるが、進行中の中期経営計画には数字を入れていないとのこと。
同社は、国内市場でNo.1になってから海外に行きたいということ、また、品質の問題を先に解決しておきたいという意向だ。
早い段階で、同社より海外市場への展開戦略を聞けることを期待したい。
(執筆:フィスコアナリスト 清水 さくら)